仏マクロン大統領 欧州各国参加の新たな軍縮条約目指す考え

(VOVWORLD) -ことし8月に失効した、アメリカとロシアのINF=中距離核ミサイルの全廃条約をめぐって、フランスのマクロン大統領は、「我々の安全が危険にさらされている」と述べ、ヨーロッパの国々も加わった新たな軍縮条約の締結を目指す考えを示しました

INF=中距離核ミサイルの全廃条約は、30年余りにわたって、アメリカとロシアの核軍縮の柱の1つとなってきましたが、ことし8月に失効し、中国も含めた大国間の軍拡競争への懸念が高まっています。

これについて、フランスのマクロン大統領は、28日、パリの大統領府で行った記者会見で、「軍備の拡大は歴史的にアメリカとロシアの2国間の条約で制御されてきた」と指摘したうえで、「我々の安全が危険にさらされている」と述べ、ヨーロッパの安全保障が危機に直面しているという認識を示しました。

そのうえで「ヨーロッパの安全保障を、我々が参加しない、ほかの2国間の取り決めに委ねるわけにはいかない」と述べ、ヨーロッパの国々も加わった新たな軍縮条約の締結を目指す考えを示しました。

マクロン大統領はこうした考えを、来月初めにロンドンで開かれる、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議で各国に示し、協議を始めたいとしています。

マクロン大統領は、ヨーロッパの安全保障はアメリカに頼ることなくヨーロッパの国々で強化していくべきだと主張していて、米ロ関係が冷え込む中、フランス中心に軍縮への動きを主導したいという思惑があるものとみられます。


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