ヌン族女性が受け継ぐ藍染めの伝統

(VOVWORLD) - ベトナム北部ハザン省シンマン県は、16の少数民族が共存する地域です。その中でも、人口の44%を占めるヌン族は、独自の文化を、世代を超えて守り続けています。特に注目すべきは、ヌン族の女性たちが大切に受け継いできた藍染めの技術です。この伝統工芸は、彼らの文化的アイデンティティを象徴する重要な要素となっています。
ヌン族女性が受け継ぐ藍染めの伝統 - ảnh 1

藍染めの工程は、非常に繊細で時間のかかる作業です。シンマン村タムカン集落に住むヴァン・ティ・フォンさんは、その過程を次のように説明しました。

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「まず原料を準備し、布藍液に浸して染めます。毎日2、3回、布を取り出して乾かし、また戻す作業を繰り返します。約1ヶ月もの間この工程を続けて、やっと満足のいく藍染めの布ができあがるのです」

藍の植物は旧暦の3月に植えられ、3、4ヶ月後に収穫します。そして石灰や、ソメモノイモ(染物芋)、水牛の皮などと一緒に浸して発酵させます。フォンさんは藍染めの特徴について次のように語りました。

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「藍染めは難しい技術で、忍耐力も必要です。でも、その結果できる布は耐久性に優れ、涼しく清潔です。石鹸を使わずに洗えるのも特徴です」

染色の過程は複雑で、ソメモノイモを煮出し、かまどの灰と混ぜ合わせて染料を作ります。この液に布を3〜5日間浸し、取り出しては乾かし、また浸すという作業を20〜30日ほど繰り返します。シンマン村のジ・サオ・ガンさんは次のように語りました。

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「非常に手間のかかる作業です。1枚の上着を作るのに3、4日、スカート1枚で2、3日かかります」

ヌン族女性が受け継ぐ藍染めの伝統 - ảnh 2

染色後は布に光沢を出す作業が待っています。シンマン村のル・ティ・フォンさんの話です。

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「布を家の中央や庭に広げ、砥石の付いた木の棒で何度も擦ります。両膝をつき、両手で棒を持って、力を込めて磨くのです」

この作業によって、布は美しい光沢を帯び、さらに耐久性も増します。

こうして作られたヌン族の衣装は、一生着ても色褪せないほどの品質を誇ります。シンマン県文化情報課長のグエン・マイン・フンさんは次のように語りました。

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「ヌン族の女性の衣服は光沢があり美しく、刺繍や模様も素晴らしいです。彼らは今でも伝統的な衣装をそのまま保持し、自分たちの手で製作しています」

現代では様々な布地が手に入りますが、シンマン県のヌン族女性たちは今も藍染めの技術を大切に守り続けています。祭りや正月、結婚式など、特別な機会には必ずこの伝統的な衣装を着用します。布を染め、乾かし、磨き、裁断し、縫製し、刺繍を施すという全工程を経て作られるこの衣装は、ヌン族の誇りであり、彼らの文化の美しさを体現しているのです。

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