EU、ロシアの凍結資金の使用問題で行き詰まる

(VOVWORLD) -先週、EU=欧州連合は、ブリュッセルで開いた首脳会議で、ウクライナに対し、2026、27年の2年間で900億ユーロ(約16兆4000億円)の融資を行うことで合意しました。EU予算を裏付けとする市場からの資金調達で財源を賄うとしています。

ロシアとウクライナの軍事衝突の終結に向けた和平協議でウクライナの交渉力を強化し、戦争で荒廃した同国が資金不足に陥る状況を回避するとしています。EUは当初、ロシアの凍結資産を融資に活用することを目指してきましたが、財源を巡り方針を転換しました。

ウクライナへの巨額融資を巡っては、EU加盟各国の意見が対立し、数カ月にわたる交渉でも行き詰まりを打開できない状態が続きました。しかし、ウクライナは来春資金が底を突く可能性が高く、妥結への圧力が高まる中で、19日未明までのマラソン協議の末、決着しました。

EU首脳らは、ウクライナが待ち望む金融支援にEU共同債の枠組みを今回利用しますが、ロシアの凍結資産を活用する可能性も引き続き探るとしました。

ベルギーのバルト・デウェーヴェル首相は19日早朝、凍結ロシア資産を使うのではなく、資金借り入れを通じたウクライナ融資を選ぶことで、EUは「混乱と分裂」を回避したと歓迎しました。

フランスのマクロン大統領は19日の欧州連合首脳会議後、アメリカによるウクライナ和平仲介の取り組みが失敗した場合、欧州はプーチン氏との直接交渉を再開する必要があると言及しました。

「(安全の)保証を伴う強固で永続的な和平が成立するか、そうでなければ今後数週間内にも欧州がロシアと完全に透明な形で協議を再開する方法を見いだす必要がある」と記者団に述べました。

ロシア側から前向きな反応を受け、フランス政府は、両国の最高指導者による直接対話に向けた適切な枠組みを準備していると明らかにしました。

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