G20サミット:チン首相、世界貧困解消のための3つの戦略的提案

(VOVWORLD) - 現地時間の18日午前、ブラジルのリオデジャネイロ市で、「公正な世界と持続可能な地球の構築」をテーマにした2024年のG20サミットが開幕しました。

今年のサミットには、G20の21の加盟国、19か国の国賓、および15の主要国際機関が参加し、これまでで最大規模の首脳会議となりました。

会議は、貧困と闘う世界同盟の発足式典に続いて、「貧困との闘い」をテーマにした討論セッションで幕を開けました。ここで発言したファム・ミン・チン首相は、貧困解消が世界の平和、安全、安定の確保に直接影響を及ぼす最も重要な基盤の一つであると強調しました。

G20サミット:チン首相、世界貧困解消のための3つの戦略的提案 - ảnh 1ファム・ミン・チン首相(中央)(写真:Vũ Khuyên/VOV)

チン首相は、貧困解消における成功モデルとしてベトナムの経験を紹介しました。戦争の荒廃や貿易制裁を経たベトナムは、国連のミレニアム開発目標を予定より10年早く達成しました。貧困率は1990年代初頭の58%以上から2024年には約1.9%まで減少したほか、ベトナムはコメをはじめとする農産物輸出で世界有数の地位を確立しました。さらに、チン首相は2025年までに全国規模の仮設住宅と老朽化住宅を完全に撤廃し、目標を5年早めて達成する計画を明らかにしました。

そして、チン首相はベトナムの貧困解消の経験から得た教訓を共有するとともに、世界的な貧困解消のために次の3つの戦略的保証を提案しました。

第一に、平和、安定、発展協力の確保です。チン首相は、これらが貧困解消と包括的な発展の前提条件であると指摘した上で、G20が科学技術、貿易、農業、食料安全保障などの分野を政治化することなく、協力を促進するリーダーシップを発揮すべきだと強調しました。

第二に、気候変動に適応できる農業・食料システムの確立です。持続可能な農業への移行を促進するため、発展途上国への技術移転や技術支援、優遇融資の提供、そしてスマートなガバナンスの導入を呼びかけました。また、低所得国の食料供給を確保するため、G20がさらなる支援強化を行うべきだと述べました。

第三に、人材への投資です。教育、職業訓練、社会保障を柱とした人材への投資を強化し、調和のとれた包括的で持続可能な社会の構築を提案しました。

演説の最後に、チン首相は、「ベトナムは多国間主義と国際連帯を重視し、世界的な貧困解消に向けた共通の努力に積極的かつ効果的に貢献していく。他国との協力を通じ、南南協力や三国間プログラムを実施し、食料安全保障の確保と貧困解消のために経験を共有していく用意がある」と強調しました。

同日午後、チン首相は「グローバル・ガバナンス制度の改革」に関する討論セッションにも出席しました。

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