IMF G20の2030年成長率を2.9%と予測 金融危機以降で最低水準に

(VOVWORLD) - 国際通貨基金(IMF)は19日、保護主義や政策の不確実性が逆風となり、2030年の20か国・地域(G20)の経済成長率が2.9%にとどまるとの見通しを示しました。これは2009年の世界金融危機以降で最も弱い中期見通しとなります。
IMF G20の2030年成長率を2.9%と予測 金融危機以降で最低水準に - ảnh 1アメリカ・ワシントンの本部庁舎外に掲げられた国際通貨基金(IMF)のロゴ(写真:REUTERS/Yuri Gripas)

IMFはG20向けの報告書で、拡大する過度な不均衡、逼迫した財政、先進国における高齢化など、世界経済が直面する一連の課題を挙げました。

G20先進国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国)は、2030年の経済成長率がわずか1.4%にとどまる見通しです。一方、G20新興国(アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ)は3.9%の成長が見込まれるとしています。

2025年のG20成長率見通しは3.2%、2026年は3.0%で、昨年の3.3%から鈍化すると予想されています。

IMFはまた、ディスインフレが続いているものの、2025年のG20諸国の総合インフレ率は依然として3.5%前後になるとの見通しを示しました。

需要の減退とエネルギー価格の下落に伴い、世界のインフレ率は当面、低下基調が続くと予想される一方、アメリカのように高関税を導入している国では、関税の上昇がリスクになると指摘しています。

IMFは高頻度指標がすでにアメリカの生産者物価の上昇とコアインフレの上昇を示しているとし、アメリカのコアインフレ率がアメリカ連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に戻る状況は2027年まで見込めないとしました。これは昨年のG20向け報告書で示した予測から2年の後ずれとなります。

またIMFは各国に対し、貿易障壁を引き下げ、成長見通しを圧迫している不確実性を軽減するため協力するよう促し、「明確で透明性の高い貿易政策ロードマップ」を採用するよう奨励しました。あわせて、貿易協定では購入の確約や数量制限を避けるべきだとしていますが、アメリカと多くの貿易相手国がここ数か月に締結した具体的な協定には言及しませんでした。(ロイター)

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