(VOVWORLD) - アイルランドのミホル・マーティン元首相が23日、議会で首相に選出されました。賛成95票、反対76票で、2度目となる首相の座に復帰し、中道右派の共和党と統一アイルランド党、無所属議員による連立政権を率いることになります。
2025年1月23日、アイルランドのミホル・マーティン元首相が、首相に選出された(写真:ロイター) |
アメリカのトランプ政権は法人税ルールの変更と輸入品への関税を公約しており、これが多国籍企業に支えられているアイルランド経済にとって大きな脅威となる可能性があります。
一方で、連立政権は多国籍企業などからの税収を活用し、公共投資の拡大、インフラ赤字の是正、減税の継続に取り組むとともに、政府系ファンドを設立する計画を掲げています。
マーティン首相は議会で「今日の私たちの課題は、極めて重要な社会的ニーズに対応しながら、迫り来る真の脅威に立ち向かい、アイルランドの強さを守ることです。歴史的にも困難な瞬間に直面している」と訴えました。また、アイルランドの経済モデルを守りつつ刷新するためには、欧州、アメリカ、イギリスとの「3つの不可欠な関係」の強化が中心になると述べ、「アイルランドとアメリカの関係も両国に利益をもたらすものであり、何があろうとも力強く発展していくだろう」と強調しました。
マーティン氏は2020年から2022年まで首相を務めており、任期後半には統一アイルランド党に首相の座を譲ることで合意していました。昨年11月29日の下院総選挙後の取り決めによれば、今回退任したサイモン・ハリス首相が2027年後半に再び首相の座に復帰することで合意されています。(ロイター)