イスラエル、西岸で12.7平方キロ「国有地化」 過去30年で最大の土地接収
(VOVWORLD) -イスラエルが先月、占領下に置くパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、過去30年以上で最大の土地接収を承認したことを、同国の入植活動を監視するNGO「ピース・ナウ」が3日、明らかにしました。
(写真:ロイター) |
イスラエルが「国有地化」したのは、ヨルダン渓谷の土地12.7平方キロ。1回の接収面積としては1993年のオスロ合意(パレスチナ暫定自治宣言)以降最大です。
イスラエルによって「国有地」と宣言されると、パレスチナ人はその土地の所有権を失い、使用も禁止されるといいます。
イスラエルは1967年の第3次中東戦争で、東エルサレムと西岸、ガザ地区などを占領しました。以来、西岸一帯に数十の入植地を建設しました。現在では49万人以上のイスラエル人が居住していますが、こうした入植地は国際法違反とみなされています。
西岸には、パレスチナ人約300万人が暮らしています。
イスラエルは1980年代に数百平方キロの土地を接収した後、1992年に接収を停止しました。だが1996年、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の第1次政権下で接収を再開しました。
イスラエルの極右ベツァレル・スモトリッチ財務相は3月、ヨルダン渓谷北部にある土地800ヘクタールの「国有地化」を発表した際、「イスラエルと世界には、われわれの西岸に対する領有権をおとしめようとする人々がいる」と非難しました。
ピース・ナウは、ネタニヤフ氏とスモトリッチ氏は政治的対立の解消や紛争終結よりも「ひと握りの入植者」の利益を優先していると批判しました。「イスラエルと併存する、パレスチナ国家の樹立という政治的解決なしでガザ紛争が終わらないことは、今や誰の目にも明らかだ」と指摘しました。(AFP)