イスラエル軍がレバノン首都郊外を空爆 ヒズボラ幹部を殺害
(VOVWORLD) - レバノンのメディアによりますと、この空爆で5人が死亡し、約20人が負傷したということです。
イスラエル軍は23日、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部を標的に、首都ベイルート郊外を空爆したと発表しました。イスラエルのメディアによりますと、標的はヒズボラのナンバー2とされるハイサム・アリ・タバタバイ氏で、ベイルートが空爆を受けるのは5カ月ぶりとなり、双方の間で緊張が高まっています。
ヒズボラはタバタバイ氏の死亡を認めました。レバノンのメディアによりますと、この空爆で5人が死亡し、約20人が負傷したということです。昨年11月にイスラエルとヒズボラの間で停戦が成立して以降、最も地位の高い幹部を狙った攻撃となりました。
レバノン政府はアメリカの支援を受けてヒズボラの武装解除を目指していますが、ヒズボラ側はこれに応じていません。アメリカニュースサイト「アクシオス」によりますと、イスラエルの情報当局者は、タバタバイ氏が武装解除拒否の方針に主導的な役割を果たしていたと見ており、今回の攻撃はヒズボラに圧力をかける狙いがあったと分析しています。
イスラエルは、ヒズボラが停戦合意に違反し、レバノン南部のリタニ川以南で再軍備を進めていると主張しており、このところ連日のようにレバノンへの空爆を続けています。一方、ヒズボラは停戦合意違反を否定しています。
イスラエルのネタニヤフ首相は、「われわれはヒズボラの再結集を許さない」と述べ、空爆を正当化しました。一方で、ヒズボラ幹部は「イスラエルの攻撃は一線を越えた」と指摘し、今後の対応を指導部が決定すると述べました。
イスラエルとヒズボラの衝突は、2023年10月のパレスチナ自治区ガザ地区をめぐるハマスとイスラエルの衝突に連動する形で発生しました。イスラエル軍は2024年秋にレバノンへ地上部隊を投入するなどして、ヒズボラの軍事能力を大きく弱体化させたとしています。(毎日新聞)