イラン IAEAへの協力停止 核開発めぐる協議再開にも影響か
(VOVWORLD) -イランのペゼシュキアン大統領は、IAEA=国際原子力機関への協力を停止したと発表しました。協力の停止によって、IAEAはイランの核施設への査察などができなくなり、核開発をめぐりアメリカが求めている協議の再開にも、影響することが懸念されます。
イランの国営テレビによりますと、ペゼシュキアン大統領は2日、IAEAへの協力を停止する内容の法律を施行したと発表しました。
国営テレビは、協力停止の詳しい内容を伝えていませんが、イラン議会は先月、国の主権や核施設と科学者の安全の確保、それにNPT=核拡散防止条約で認められたウラン濃縮などの権利が保障されるまで、IAEAに対する協力を停止するよう政府に求めていました。
IAEAは、2019年から翌年にかけて、イラン国内の複数の場所で核物質が見つかった問題をめぐり、ことし5月、かつてイランが申告せずに行っていた核開発の痕跡だと指摘する報告書をまとめ、イランはこの報告書がイスラエルによる攻撃の口実に利用されたとして反発していました。
イランが協力を停止すると、IAEAは核施設への査察などができなくなり、核開発に対する国際社会の疑念がいっそう強まることが予想されるほか、アメリカが求めている核開発をめぐる協議の再開にも影響することが懸念されます。(NHK)