(NHK)インドネシアのスラウェシ島で発生した地震と津波の被災地では、これまでに925人の死亡が確認され、避難している人の数は4万8000人以上に上り、食料などの支援物資の不足が深刻になっています。
(写真:AFP/TTXVN) |
インドネシアのスラウェシ島の中部では先月28日にマグニチュード7.5の地震と津波が発生し、インドネシアの国家防災庁の長官は、これまでに925人の死亡が確認されたと述べました。また、避難している人の数は4万8000人以上に上り支援物資の不足が深刻になっています。
このうち中部スラウェシ州の州都パルでは食料や飲料水が不足し、被災者たちのいらだちが募っています。
街の中心部にある軍の施設には、配給を受けられると聞いたという住民たちが早朝から長い列を作りました。しかし、配給は避難場所で配られるのでここで配ることはできないという説明を受けると、住民たちは不満の声をあげ、兵士に詰め寄る様子も見られました。
1時間半待ったという男性は「地震が発生してから何も物資を受け取っていません。このままだとまた住民が店を襲う事態が起きるかもしれません」と不安そうに話していました。
行方不明者の捜索も、重機が不足していて思うように進んでいません。ほとんどの住宅が倒壊しこれまでに40人が亡くなったパルのバラロア地区では、いまだにがれきの中に取り残されていると見られる住民がいるということです。軍の兵士60人が住民とともに手作業で捜索にあたっていました。
自宅が全壊した50歳の男性は「近所に住む多くの友人を失いました。行方不明になっている人を捜すためにも、壊れた家を片づけるためにもまず重機が必要です。また食料などすべてのものが不足しているので、どんな支援でも受けられたら助かります」と話していました。
インドネシア政府は陸路だけでなく空や海からも支援物資の供給を急いでいるとし、海外からの支援を受ける準備も進めています。