キューバ外務省本部（写真：OnCuba）

アメリカ民主党のバイデン大統領は14日、キューバに対するアメリカ政府のテロ支援国家指定を解除すると議会に通告しました。キューバ政府が指定解除を求めていた中での決定で、両国関係にとって大きな転換点となる可能性があります。ただし、トランプ次期大統領や共和党が多数派を占める議会がこの決定を覆す可能性も残されています。

アメリカ政府高官は、指定解除の理由について「過去半年間、キューバが国際テロを支援した信頼できる証拠は見つからなかった」と説明しました。また、キューバ政府が拘束中の政治犯多数を釈放する方向でカトリック教会と協議を進めており、バイデン氏が退任する20日までに実現する見通しであると明らかにしました。人権を重視するバイデン政権は、政治犯の釈放を外交的な成果としたい考えです。

キューバ外務省は「さまざまな罪」で服役している553人の受刑者を段階的に釈放するとの声明を発表しました。声明では「政治犯」との明確な言及は避けていますが、政府への抗議活動に参加した市民が含まれる可能性があります。

キューバを巡るテロ支援国家指定については、2015年にオバマ政権が1982年以来の指定を解除しましたが、2021年にトランプ政権が再指定していました。今回の解除が両国関係にどのような影響を及ぼすか注目されています。（共同通信）