ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相の招きに応え、アメリカのケリー国務長官は12日から14日にかけて、ベトナムを訪問しています。先頃、政府本部で、グエン・スアン・フック首相はケリー長官と会見した際、両国の全面的パートナー関係の確立以来、多くの分野でこの関係が順調に発展していることに満足の意を表明しました。また、今後も、両国はそれぞれの政治体制と発展方向の尊重を基礎に長期的かつ実質的な協力関係を強化していくとの確信を示しました。
他方、ミン副首相兼外相の委託を受け、ブイ・タイン・ソン外務次官はケリー国務長官との会談を行いました。席上、ソン次官はアメリカ側に対し、ベトナムの市場経済体制を早期に認め、ベトナム製品に対し、さらに市場を開放し、貿易障壁を軽減するとともに戦争後遺症の克服を優先させ続けるよう要請しました。
また、ASEAN・アメリカ戦略的パートナー関係の重要性を高く評価し、ベトナムはアメリカと力を合わせ、ASEANの中核的な役割の強化に取り組む用意があると強調しました。双方はベトナム東部海域問題について協議し、同海域の平和、安定、安全保障、航行の自由の維持を目指し、国際法に従って、外交と法的手段で紛争を解決する必要性を訴えました。
ケリー長官はベトナムの政治体制、独立、主権、領土保全への支持を再確認し、ベトナムの2017年のAPEC首脳会議の開催を支援すると強調しました。また、「アメリカはアジア太平洋地域で長期的な利益を有する。アメリカの新政権は同地域との関係の強化を継続するであろう」と述べました。そして、アメリカはベトナム東部海域問題を見守り、同問題を国際法、中でも1982年国連海洋法条約に従って、平和的措置で解決することを支持すると明らかにしました。
なお、訪問にあたり、ケリー長官はホーチミン市党委員会のディン・ラ・タン委員長と会見したほか、ベトナム・アメリカ関係に関する演説を行いました。