シリア 政治的解決へ憲法委員会 内戦終結に導けるか
(VOVWORLD) -内戦が続くシリアをめぐり国連は23日、政治的解決を目指すための憲法委員会を設置したと発表しました。犠牲者が37万人を超えている泥沼の内戦を終結に導く第一歩になるのか、注目されます。
内戦が続くシリアをめぐり国連のグテーレス事務総長は23日、ニューヨークで会見し、内戦の政治的な解決に向けた新しい憲法づくりのための委員会が設置されたことを明らかにしました。
憲法委員会はロシアやトルコが主導して4年前の国連の安保理決議に基づくものとして設置を進めていましたが、憲法案を起草するメンバーの構成をめぐってアサド政権と反政府勢力の間で意見が対立し、立ち上げが遅れてきました。
グテーレス事務総長は「憲法委員会の設置はこの惨状から抜け出す政治的な道の始まりだと強く信じている」と述べ、内戦の終結につなげなければならないという考えを示しました。
国連は今後、数週間以内に憲法委員会の最初の会合を招集することにしています。
シリアの内戦はこれまでに少なくとも37万人以上が死亡しています。北西部のイドリブ県などを拠点とする反政府勢力に対し、今もアサド政権側が激しい空爆をくりかえしていて犠牲者は増え続けています。内戦を政治的に解決する試みはこれまでにも何度も行き詰まってきた経緯があり、今回の憲法委員会の設置を内戦の終結につなげる第一歩とすることができるか、注目されます。