スイス総選挙:右派・国民党が第1党維持、移民対策に支持-緑の党失速
(VOVWORLD) -スイスで22日、総選挙の投票が行われ、国民議会(下院)第1党の右派、国民党がこれまでの国政選挙で最多に迫る得票率を獲得しました。移民問題に対する国民の懸念に対応した選挙戦が奏功しました。
国民党(ドイツ語読みの略称SVP)の得票率は28.6%で、4年前の選挙の25.6%から支持を拡大しました。投票前の世論調査結果を上回り、2015年総選挙で獲得した過去最高の29.4%に迫る勢いを示しました。
国民党はこの20年間、移民や経済などの国内問題に注力した結果、同国で最も高い人気を誇っています。同党はインフラへの過剰負荷や住宅不足を理由に全人口を1000万人に制限するよう主張しています。同党のマルコ・キエーザ党首はスイスのSRF放送に対し「われわれは移民の問題を抱えている。不法移民の問題があります。国民はわれわれにこの問題を負託した。同時にこのメッセージを全政界に伝えた」と語りました。
また今回の総選挙では、不安定感の高まりも投票に影響しました。苦境に陥った同国の銀行クレディ・スイス・グループが3月、UBSグループに合併され、同国の銀行システムの堅実さに影を落としました。
欧州では最近、各地で右派勢力が台頭。ドイツでは極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持率を伸ばし、イタリアでは政権発足から1年を経過した極右政党出身のメローニ首相がなお高い支持率を保っています。
公式集計によりますと、大差をつけられて第2党となったのは社会民主党で、中道党が第3党、僅差で経済活動重視の自由民主党が第4党の順となりました。一方、19年の選挙で躍進した環境政党の緑の党は失速しました。(bloomberg.co.jp)