ＷＢの記者会見

報告書によりますと、ベトナム経済は2024年に6.1%、2025年と2026年にはそれぞれ6.5%の成長が見込まれており、2023年の5%を上回る見通しです。

「資本市場での新たな高みを目指して」と題された今回の報告書は、世界的な課題が増大する中でのベトナム経済の耐性を評価しつつも、経済がまだパンデミック前の成長軌道に戻っていないと指摘しています。

ＷＢは、短期的な需要刺激と同時に、エネルギー、交通、物流分野におけるインフラ不足の解消のため、公共投資の強化を提言しています。また、不良債権の増加を受けて、銀行の資産質の監視強化も求めています。

記者会見でWBのベトナム担当上級エコノミスト、ドルサティ・マダニ氏は、6.1%という成長予測は非常に前向きだが、ベトナム経済はまだ完全な潜在力を発揮できていないと述べました。さらに、2024年前半の力強い回復の後、世界主要国の経済成長鈍化の影響を受け、ベトナムの成長率も緩やかになると予想しています。

WBはベトナム政府に対し、経済促進のための公共投資支出の加速、銀行の資本安全性の改善、民間投資誘致のためのインフラ整備の推進を提言しています。加えて、貿易の多様化を通じたさらなる経済統合も、ベトナム経済の耐性向上に寄与すると指摘しています。