(NHK)国連のグテーレス事務総長は安全保障理事会の会合で、「これまで紛争への対応に目を向けてきたが、今後は紛争を防ぐためにはるかに多くのことが必要だ」と述べて、紛争の予防により力を入れていく考えを強調しました。
今月就任した国連のグテーレス事務総長は10日、アメリカ・ニューヨークにある国連本部で就任後初めて安全保障理事会の会合に出席しました。
(写真:THX/TTXVN)
この会合は紛争の予防をテーマにした公開討論で、93か国の代表が参加する中、グテーレス事務総長が演説し、「われわれは平和と安全をどう目指すか発想を変えなければならない。過去何十年間、紛争への対応に目を向けてきたが、今後は紛争を防ぐためにはるかに多くのことが必要だ」と述べて、紛争の予防により力を入れていく考えを強調しました。
具体的な対策としては、事務総長をトップとした新たな幹部会を設置して、迅速な意思決定を行うことや、事務総長が率先して加盟国との信頼関係の向上に努めること、さらに世界各地で起きている対立に対して複数の国連機関が結束して対応するよう調整する特別顧問の任命を挙げました。
国連に対しては、世界中の内戦や紛争の調停やPKOを行ってきたものの、安保理が紛糾して効果的に対応できていないという批判もあり、グテーレス事務総長にとって、対立や紛争の当事国とともに安保理の加盟国といかに良好な関係を築けるかが課題になります。