欧州ガス在庫が減少、18年以降で最速のペース-寒さで暖房需要増加
(VOVWORLD) - 欧州では厳しい寒さの影響で暖房需要が増加しており、ガス備蓄がここ7年で最速のペースで取り崩されています。
ハンガリーある天然ガス貯蔵施設(写真:THX/TTXVN) |
欧州の地下施設にあるガスの貯蔵率は現在、70%をわずかに上回る程度にとどまっており、1年前の約86%から大幅に低下しています。すぐに供給不足に陥る可能性はないとされていますが、急速な取り崩しにより次の暖房シーズンに向けた備蓄確保が一段と難しくなるだけでなく、短期的な価格変動への影響が懸念されています。
ブルームバーグがまとめた業界団体「ガス・インフラストラクチャー・ヨーロッパ(GIE)」のデータによりますと、貯蔵率はピーク時から累計で25ポイント低下しており、これは2018年以降で最大の落ち込みとなっています。
ゴールドマン・サックス・グループの天然ガス調査責任者であるサマンサ・ダート氏は、リポートの中で「3月末の貯蔵量が少ないほど、欧州が来冬に向けてその分を補充するのが難しくなるだろう」と指摘しました。また、「現在予想されている平均以上の寒さというシナリオではなおさらだ」と続けました。(ブルームバーグ)