2025年6月23日、沖縄県糸満市の平和祈念公園にある平和の礎の前で祈りを捧げる来場者（写真：共同通信）

沖縄県は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」を迎え、県民らが日米双方の死者20万人以上を悼みました。激戦地だった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、恒久平和を誓う沖縄全戦没者追悼式が行われ、戦後80年の節目にあたる今年は、約4千人が参列しました。

今年は自民党議員の「歴史修正」と受け取られる発言があり、県民の間には根強い反発が残っています。石破茂首相は追悼式に参列した後、旧日本軍に動員され命を落とした女子学徒隊を慰霊する「ひめゆりの塔」（糸満市）を訪れ、献花しました。

首相は献花後、記者団に対し「不戦の思いや戦争の悲惨さをもう一度、自分の胸に刻まねばならないという思いで来た。その思いはさらに強くなった」と述べました。

ひめゆりの塔に関する展示説明をめぐっては、自民党の西田昌司参議院議員が5月に「歴史の書き換え」と主張し、批判を招いていました。

石破首相は塔に隣接する「ひめゆり平和祈念資料館」も訪れました。資料館によりますと、慰霊の日に現職の首相が来館するのは30年ぶりです。普天間朝佳館長（65）によりますと、首相は生存者の証言映像などを見たということです。（共同通信）