2025年12月20日、アルテミス2号ミッションの宇宙飛行士が、フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターで訓練に参加するため待機エリアを出る様子（写真：REUTERS/Joe Skipper）

アメリカ米航空宇宙局（NASA）の計画が順調に進めば、数か月後にもアメリカの宇宙飛行士4人が、月を周回する有人飛行を実施する見通しです。これはアルテミス2号（Artemis II）計画の一環で、飛行期間はおよそ10日間とされています。実現すれば、1970年代初頭のアポロ計画以来、人類が月に最も接近する有人飛行となります。

NASAによりますと、アルテミス2号は早ければ2026年2月に打ち上げられる可能性があり、人類を再び月へ送り返すアルテミス計画の重要な第一歩と位置づけられています。スペース・ローンチ・システム（SLS）ロケットとオリオン宇宙船が初めて乗員を搭載して飛行するミッションでもあり、10年以上に及ぶ開発の中で、予算超過や技術的課題を乗り越えてきました。

月への回帰は、ドナルド・トランプ大統領が初任期から掲げてきた主要課題の一つです。現政権は、アルテミス計画を宇宙開発競争におけるアメリカの地位強化の一環と位置づけています。