米国とイラン、核協議の継続で合意 オマーンで4回目の高官協議
(VOVWORLD) - 協議には、アメリカの中東担当特使ウィットコフ氏と、イランのアラグチ外相が出席し、イランの核開発の制限や経済制裁の解除などが話し合われたとみられています。
イランのアラグチ外相(写真:ISNA) |
アメリカとイランの高官は11日、オマーンで4回目となる核開発をめぐる協議を行い、今後も交渉を前進させることで合意しました。AP通信などによりますと、今回の協議では「技術的な要素」が議題となり、次回の協議については引き続きオマーンが調整にあたる見通しです。
協議には、アメリカの中東担当特使ウィットコフ氏と、イランのアラグチ外相が出席し、イランの核開発の制限や経済制裁の解除などが話し合われたとみられています。
協議終了後、イラン外務省の報道官はSNSに「困難ではあったが、互いの立場を理解し、相違点の解決に向けて合理的かつ現実的な道筋を見つけるうえで有益だった」と投稿しました。
イランの核開発をめぐっては、ウラン濃縮の全面的な停止を求めるアメリカと、一定の濃縮活動は「イランの正当な権利」だと主張するイランとの間で依然として深い溝があり、妥協点を見いだせるかどうかは不透明な状況が続いています。
ウィットコフ特使は、8日に行われたアメリカの保守系メディア「ブライトバート」のインタビューで、「イランはウランの濃縮計画を持つことはできない。これが我々のレッドラインだ」と述べ、中部ナタンツなどの核施設について「廃止すべきだ」と指摘しました。そのうえで、「もし協議が生産的でなければ、我々は別のルートを取る必要がある」として、武力行使の可能性も排除しない考えを示しました。
これに対し、アラグチ外相は11日、協議に先立って「ウラン濃縮の能力はイランの誇りの源泉であり、多大な代償を支払って得た成果だ。交渉の余地はない」と述べ、アメリカ側の要求に強く反発する姿勢を示しました。(毎日新聞)