米政府機関の閉鎖、過去最長に 医療予算巡り与野党が対立
(VOVWORLD) - アメリカの医療政策調査機関「KFF(カイザー・ファミリー財団)」によりますと、補助延長が失効した場合、低所得層の医療保険料は来年、平均で2倍以上に急増する見通しです。
アメリカ・ワシントンD.C.の連邦議会議事堂、2025年11月2日(写真:REUTERS/Kent Nishimura) |
アメリカの政府機関の一部閉鎖は5日で36日目となり、過去最長を更新しました。医療関連の予算増額をめぐって与野党の対立が続いており、暫定予算の成立の見通しは立っていません。トランプ大統領は就任以降、低所得者向け医療支援の削減などを一方的に進めてきましたが、野党・民主党の強い反発を受け、党派対立の激化が閉鎖の長期化につながっています。
暫定予算案をめぐり、民主党は年末に失効する医療保険制度(いわゆるオバマケア)の補助延長を盛り込むよう求めています。さらに、トランプ政権が大型減税の財源確保のために削減した低所得者医療制度「メディケイド」への支出を復活させるよう訴えています。
アメリカの医療政策調査機関「KFF(カイザー・ファミリー財団)」によりますと、補助延長が失効した場合、低所得層の医療保険料は来年、平均で2倍以上に急増する見通しです。また、メディケイドなどの削減により、無保険者が2034年度までに1000万人増えるとの試算も示されています。
民主党は来年秋の中間選挙を見据え、トランプ政権による医療政策を「医療危機」と位置づけ、主要な争点に据える構えです。(時事通信)