米旅客機と陸軍ヘリ衝突、トランプ大統領「生存者なし」
(VOVWORLD) - 消防当局によりますと、これまでに28人の遺体が収容されています。
2025年1月30日、アメリカ・ワシントンで発生した小型旅客機と陸軍ヘリコプターの衝突事故現場で展開される救助活動(写真:ReutersTTXVN) |
アメリカの首都ワシントン近郊の空港付近で29日、小型旅客機と陸軍ヘリコプターが衝突する事故が発生しました。トランプ大統領は30日の記者会見で「生存者はいない。恐ろしい悲劇だ」と述べ、旅客機の乗客60人と乗員4人、ヘリの搭乗者3人の計67人が死亡したと発表しました。これを受け、救助活動から遺体収容に移行したと明らかにしました。消防当局によりますと、これまでに28人の遺体が収容されています。
今回の事故は、2009年2月にアメリカ・ニューヨーク州バファロー近郊で発生した50人死亡の事故に次ぐ規模で、2001年11月にニューヨークで発生し265人が犠牲となった墜落事故以来、アメリカで最悪の航空事故となりました。
トランプ大統領は、事故原因についてはまだ特定されていないとしながらも、「私は非常に強い意見を持っている」と述べ、ヘリコプターが旅客機と同じ高度で飛行していた点を指摘しました。その上で、「ヘリ操縦士に問題があった」「管制官の警告が遅れた」と批判しました。
報道によりますと、ヘリの航空管制は通常、2人の管制官が行うところ、1人が担当していたとの情報があります。
アメリカ運輸安全委員会(NTSB)は30日、旅客機のフライトレコーダー(飛行記録装置)を回収し、アメリカ連邦航空局(FAA)、国防総省と共に事故原因の究明を進めています。
トランプ大統領は、バイデン前政権時にFAAが多様性・公平性・包括性(DEI)を推進し、「重度の知的障害や精神障害を持つ人々の雇用を進めた」と批判し、こうした政策が事故の背景にある可能性を示唆しましたが、具体的な根拠は示しませんでした。
事故は29日午後9時(日本時間30日午前11時)ごろに発生しました。カンザス州ウィチタからワシントン近郊のロナルド・レーガン空港へ向かっていたアメリカン航空の子会社が運航するボンバルディア機が滑走路に進入しようとした際、陸軍の「ブラックホーク」ヘリコプターと空中衝突し、双方ともポトマック川に墜落しました。(日本経済新聞)