(VOVWORLD) -80年が経った現在、最初の3言語からスタートした国際放送は、13言語で放送されるようになっています。
VOV5設立時のスタッフ |
ホーチミン主席がバーディン広場で独立宣言を読み上げてから、わずか5日後の1945年9月7日、ベトナムの声放送局は、初めての外国向け放送番組を英語、フランス語、広東語で発信しました。
あれから80年が経った現在、最初の3言語からスタートした国際放送は、13言語で放送されるようになっています。
ベトナムとベトナムの声放送は常に心の中に
(テープ)
「私はベトナムの声放送を聴くことで、ベトナムのことをより迅速に、より包括的に、そしてより真実に理解できるようになりました。私は単なるリスナーだけでなく、中国とベトナムを結ぶ文化大使、友情の証人であり、その友情を実践する者だと感じています。ベトナムの声放送を通して、真実のベトナム、現代的で発展を続けるベトナムを知ることができるのです」
(テープ)
「ベトナムの声放送のアナウンサーの声やベトナムに関連するニュースを聴くことは、私にとって欠かせない朝食のようなものです。ベトナムの声放送は、インドネシアとベトナムの距離を縮め、素晴らしい思い出と友人を与えてくれました」
VOV5訪問時のインドネシア・ボネロ受信クラブ代表団 |
お聞きいただいたのは中国・浙江省のリスナー、範紅傑さん、およびインドネシア・ボネロ受信クラブ会長であるルディ・ハルトノさんの感想でした。
そして、ベトナムから遠く離れたペルーのリスナーであるジョニー・アントニオ・ラミレス・ロペスさんは「遠く離れていても、ベトナムはいつも私の心の中にある。私はベトナムの勇気ある精神、平和を愛する心、そして人々の寛大さに惹かれている。建国から80年を経て、ベトナム国民が成し遂げた成果を心から尊敬している」との感想を述べました。
こうした感想は、数万人にのぼる世界中のリスナーの共通した思いでもあります。ベトナムの声放送へ寄せられるお便り、メッセージ、コメントのすべてが、ベトナムの声放送が長きにわたり世界へ響き続けてきた証なのです。
国境を越えた声
80年前の放送開始当初から、VOV5=国際放送は「ラジオの電波は国境を越えるためにパスポートを必要としない。電波は帝国主義の情報封鎖を突き破り、ベトナム革命の実情を伝え、敵対勢力の歪曲宣伝を打ち破り、世界の人々からの支持と共感を勝ち取ってきた」というホーチミン主席の理念を実現してきました。
1955年から1975年にかけては、「アメリカ兵士とのちょっとしたお話」という兵士向け心理戦番組を含め英語放送が大きな反響を呼びました。当時のアナウンサー、チン・ティ・ゴーさんの声は、アメリカ兵から「ハノイ・ハンナ」と呼ばれ、南ベトナム駐留兵士やアメリカ国内の進歩的市民の心に深く影響を与え、反戦運動を広げる原動力となりました。これは、国境を越えた国際放送の力を示す鮮烈な証しと言えます。
その後、放送言語と発信地域が拡大され、タイ語、日本語、インドネシア語、カンボジア語(クメール語)、スペイン語、ロシア語、朝鮮語の番組が続々と開設されました。爆撃の危険や技術的な不足に直面しながらも、国際放送のスタッフは常に努力を惜しまず、世界の友人へベトナムの声を届け続けました。
タイ語番組の元編集長であるミンさん |
当時のことを振り返り、タイ語番組の元編集長であるグエン・トゥイ・ミンさんは次のように述べました。
(テープ)
「当時の放送は、国の統一を目指す国民の決意を中心に伝えていました。そのため、記者も編集者も戦場さながらの精神で、昼夜を問わず働き、24時間体制でニュースを届けることに全力を尽くしていました」
及川さん夫妻 |
こうした努力は、世界各地で広がっていたベトナム支援運動を後押ししました。日本語放送の長年のリスナーである及川三晶さんは次のように述べました。
(日本語のテープ)
国が統一されてから、国際放送は新たな使命を担いました。それは、世界に向けて「平和で親しみやすく、力強く発展し、国際社会に積極的に統合しているベトナム」を語るということです。この時期、放送時間は拡大され、より多くのリスナーに向けた番組が誕生しました。例えば、「母国を離れて暮らすベトナム人のための番組」、ドイツ語放送、そして英語24時間放送チャンネル(104/104.5MHz)などです。
2018年9月7日に、国際放送の13番目の言語となる韓国語放送がスタートしました。
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2018年9月7日に、国際放送の13番目の言語となる韓国語放送がスタートしました。韓国語を話すコミュニティに向けた番組は、1975年の朝鮮語放送終了から43年ぶりの再開であり、大きな節目となりました。
現在、国際放送局は、英語・フランス語・中国語・ベトナム語・カンボジア(クメール)語・ラオス語・タイ語・インドネシア語・ロシア語・スペイン語・ドイツ語・日本語・韓国語の合わせて13言語を運用する、国内で最も多言語の国際放送となっています。
短波ラジオ放送からデジタル空間へ
21世紀に入り、VOVの国際放送は、もはや従来のラジオから流れる音に限定されるものではなくなりました。2011年末から2012年初頭にかけて、ウェブサイト「vovworld.vn」はベトナム最大の多言語情報ポータルとなり、国際放送の電波をさらに広げました。聴取者は、単に聴くだけでなく、読み、視聴し、国際放送の従事者と交流することも可能になりました。
国際放送は、ポッドキャスト(podcast)、Spotify、YouTube、そしてTikTokでの宣伝を通じて、その存在感を高めています。簡潔なニュースや生き生きとしたクリップ、そして親しみやすいポッドキャストは、ベトナムの声放送局を、古めかしいラジオよりもソーシャルメディアに慣れ親しんだ若者世代と結びつけています。しかし、どのようなプラットフォーム上であっても、国際放送の核心は、真実性、人間性、インスピレーションという価値観に変わりはありません。ベトナムの国際放送は、テクノロジーを活用してもアイデンティティを失うことなく、むしろその影響力を拡大できることを証明しました。毎年、約200カ国・地域からベトナムの声放送局に寄せられる約2万通のお便りは、国際放送の生命力を最も明確に示しています。
80年の行程を継承する
過去80年間、ベトナムの声放送局の国際放送は、国の浮き沈みとともに歩んできました。現在、国際放送は、近代化と包括的なデジタルトランスフォーメーションという新たな段階へと入っています。
ヒエン副総裁 |
VOVのゴ・ミン・ヒエン副総裁は、次のように述べています。
(テープ)
「ベトナムの文化的精髄を広め、ベトナムのアイデンティティを確立し、投資家をベトナムに呼び込むことに加え、国際放送は、ベトナムが平和な国であり、海外のパートナーが事業を展開し、科学技術を共有するための多くの好条件を提供していることをも証明しなければなりません。国際放送は、国境を越えたプラットフォームで配信されるマルチメディア製品や、様々な形式を用いて、世界中の友人にベトナムのメッセージと願望を伝えるべく、多くの放送形式を強化する必要があります」
VOV5のホア局長 |
一方、国際放送局のフォ・カム・ホア局長は、次のように述べています。
(テープ)
「VOV5は、国民の変革とともに自らも変革しなければなりません。当局は、13の放送番組と同じ13言語に対応した対外電子情報ウェブサイト『vovworld.vn』を運営しています。また、ポッドキャストやSpotifyといった他のデジタルプラットフォームでも展開しており、YouTubeやTikTokなど多くの人にフォローされ、利用されているプラットフォームを活用して、私たちのコンテンツを配信しています。さらに、多様な活動だけでなく、ジャーナリズム賞や専門業務における取り組みを通じて、国際放送のブランドをさらに広めることに注力しており、これらはますます重視され、発展しています」
この力強い変革の精神は、80年にわたる国際放送の輝かしい行程を書き継いでいる若い記者や編集者たちにも広がっています。
(テープ)
「VOV5をはじめとするベトナムの声放送局で働けることを、大変幸運で光栄に思います。仕事を通じて、先輩方から多くの専門的な経験を学ぶことができています。また、さまざまな文化に触れ、専門家、学者、外交官、そしてあらゆる分野の人々と出会う機会もあります。これは、私の知識を広げるだけでなく、多角的な国際情勢と現代の報道環境の中で、コミュニケーションスキル、分析力、情報処理能力を磨くのに役立っています。」
(テープ )
「情報競争が激しい現代において、私は日々の専門知識や外国語能力の向上だけでなく、政治的信念、オープンな思考、統合、多角的な情報処理、デジタルスキル、そしてメッセージを伝えるための創造性を絶えず高める必要があると理解しています。これこそが、私たち若い記者世代が、新時代におけるベトナム国際放送の80年にわたる輝かしい行程を継承し、発展させるための基盤です」
ホーチミン主席はかつて、「外交において、ラジオの電波はパスポートなしで国境を越えることができる」と語っていました。過去80年間、国際放送はベトナムの声を海を越え、山を越え、世界中に届けてきました。今日、国際放送に携わる人々は、日々、ベトナムの声を国際社会の友人たちに届けるために努力し続けています。