持続可能な観光開発に取り組むクアンニン省

(VOVWORLD) -地元固有の文化は常に地方にとって観光を開発するための貴重な資源とされています。世界自然遺産であるハロン湾を持つベトナム東北部クアンニン省は持続可能な観光開発のため、伝統文化を活用しています。

クアンニン省はハノイからおよそ170キロ離れた所にあり、中国と陸の国境、領海の両方が接するベトナムの唯一の地方省です。同省の地形の80%は山岳で、沖合にある2000の島も山があります

クアンニン省にはおよそ600の有形の歴史、文化遺跡があるほか、無形文化遺産も多くあります。その中で、ハロン湾、イェントゥ遺跡群、クアオン神社、バクダン歴史遺跡などが国内外の多くの人々によく知られています。

持続可能な観光開発に取り組むクアンニン省 - ảnh 1

そのほか、クアンニン省の東部にあるティンイエン県、ダムハ県、モンカイ市は地元の少数民族の独自の伝統を活かして、コミュニティー・ベーズド・ツーリズムの開発に力を入れています。

イギリス人のSimon Tanteyさんはクアンニン省に長年暮らしており、これまでにハロン湾やイエントゥ山などを訪れたことがありますが、中国との国境にある同省ビンリエウ県を訪れた時、壮大な自然風景、詩的な谷川と滝のほか、少数民族サンチ族の女性たちが伝統衣装を身にまとい、民間遊戯に熱中していた様子を見て驚いたと言います。Tanteyさんの話です。

(テープ) 

「地元の少数民族の女性が民族衣装を着てサッカーをしている光景にびっくりしました。ここで、こんなに楽しいサッカーを見られるとは思っていませんでした。また、地元の住民は皆とてもフレンドリーでした」

ビンリエウ県の人口のおよそ98%は少数民族です。近年、ビンリエウ県が知られるようになったことにより、地元のテイ族、ザオ族、サンチ族の伝統文化が観光開発の強みとなっています。また、サンチ族の民謡のど自慢大会、ザオ族の風を避ける祭りなど少数民族の祭りは多くの観光客を魅了しています。

クアンニン省は省内の学校の生徒や職員たちに対し、定期的に、伝統衣装を着用することや民謡教室、伝統的な手工業を教える講座などを開設し、若者への伝統文化の継承を図っています。

ビンリエウ県フクドン村に住むチャク・ア・ティンさんはサンチ族の民謡「ソンコ」が多くの人々に愛用されていると明らかにし、次のように語りました。

(テープ) 

「私たちは学校でサンチ族の民謡「ソンコ」を歌うクラブを結成しました。その目的は生徒たちに民謡を伝えるということです。今後、観光客にもこの民謡を紹介する計画があります」

持続可能な観光開発に取り組むクアンニン省 - ảnh 2

毎年、春祭りのシーズンがやってくると、多くの人がクアンニン省の寺院や神社へ参拝に行きます。近年、クアンニン省にある観光インフラは整備され、文化体験ツアーも多様化しています。

例えば、イェントゥ遺跡群では「村の祭りの夕べ」というイベントに参加できるほか、菅笠ノンラやドンホ版画、座禅などを体験できます。トウンラム開発株式会社のレ・チョン・タイン副会長は次のように語りました。

(テープ) 

「これまでわが社はイエントゥ遺跡群の心霊体験ツアーや、文化と自然風景を活かした観光商品を開発してきましたが、今後、イェントゥの人々を対象に開発しています。つまり、イエントウの人々がこれまでに作り出した歴史的、文化的価値を活かした観光ツアーを開発します」

クアンニン省は海洋観光、保養観光を開発するとともに、文化、歴史、心霊体験ツアーにも力を入れていくとしています。これにより、今後、クアンニン省の観光商品が多様化され、2022年に観光客950万人を迎えるという目標の遂行に寄与することでしょう。

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