水上人形劇の芸人ファン・タイン・リエム

 

ハノイ便りの時間がやってまいりました。

ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。

フン こんにちは。フンです。ホアイさん。ベトナムの伝統的芸術である水上人形劇が生まれたのは、ベトナム北部にあるホン河デルタ地帯の水田で、1010年頃か、それ以前といわれていますね。

ホアイ そうですね。今日のこの時間はその伝統的芸術を保存、発揮するため、ハノイ市内の自宅内に、水上人形劇の舞台を設置し、公演をするファン・タイン・リエムさんについてご紹介しましょうか。

フン そうですね。

水上人形劇の芸人ファン・タイン・リエム - ảnh 1

現場の音

ハノイ市内の中心地カムティン通りの狭い路地裏に位置するリエムさんの自宅はここ数年、水上人形劇を愛好する国内外の多くの人々の注目を集めています。

ホアイ リエムさんの自宅は4階建ですが、1階の床の面積は30平方メートルしかありません。しかし、全ての空間は水上人形劇に使われていますね。

フン そうなんです。4階には水上人形劇の舞台が設置されました。狭い空間で、舞台のほか、ガジュマルの木、竹、池などベトナム農村部の風景には不可欠なものが見られます。

ホアイ リェムさんの水上人形劇の公演は1回30分で、観衆は多くても15人しかいません。注目すべきことはここに行くと観衆は公演を鑑賞できるだけでなく、自分で公演に参加でき、人形を作る様子を垣間見ることができます。リエムさんは次のように語りました。

(テープ)

「国内外の多くの人々はベトナムの水上人形劇をもっと詳しく知りたいですから、常時演奏を行えるように、自宅に舞台を設けたのです。毎日、公演を行います。ここでは、観衆は公演を鑑賞するだけでなく、人形劇にかかわる全ての見識を理解できるようになります。」

ホアイ リェムさんの話でした。

フン リェムさんの自宅での水上人形劇の公演を鑑賞した観衆であるマイ・ハイ・ハ ( Mai Hai Ha) さんは次のように語りました。

(テープ)

「ここで一番好きなことは狭い空間ながら水上人形劇に関連する全てのものを鑑賞、理解できるということです。時間がなくて、農村部の村まで行く余裕がない場合や水上人形劇のにぎやかな雰囲気が苦手の場合、ここに行くのはいい選択肢だと思います」

フン ハーさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。

水上人形劇の芸人ファン・タイン・リエム - ảnh 2

ホアイ では、水上人形劇に使う音楽をお聴きください。話を続けましょう。北部ナムディン省にある水上人形劇に従事している家庭出身のファンタインリェムさんは幼い時から、父親とともに人形を作ったり、それを市場に売りに行ったりしました。

フン また、小さい時から、リェムさんは村に披露される水上人形劇を鑑賞し、いつからか分からないですが、この水上人形劇が好きになっていたようですね。

ホアイ そうですね。そして、リェムさんは水上人形劇を公演できるミニ舞台を造り、世界各国で上演するなど、ベトナムのこの伝統的芸術の広報に力を入れています。リェムさんの話を聴いてみましょう。

(テープ)

「幼い頃から、水上人形劇の芸術に夢中でした。成長してからもこの芸術に対する気持ちは変わりません。全国の学校や、遠隔地など水上人形劇が公演できない所でも公演できるように、ミニ舞台を作り出しました。また、私はこのミニ舞台を通じて、世界各国にベトナムの伝統的水上人形劇を紹介しました。私は遠い所でも公演できるように、水上人形劇の舞台の改良に創意工夫を凝らしました」

ホアイ リェムさんの話でした。世界の多くの国々でベトナムの水上人形劇を公演したリェムさんはこの芸術に対する外国人の感情を忘れることができません。これらの感情はリェムさんを激励しています。リェムさんの話です。

(テープ)

「日本、韓国、ヨーロッパ諸国での水上人形劇の公演を通じて、多くの国々の人々はベトナムの伝統的芸術を高く評価していることを分かりました。彼らは水上人形劇が大好きです。水を舞台にして、人形劇を披露するのはベトナムにしかないからです。これを通じて、外国人はベトナムの文化を理解できるようになります」

水上人形劇の芸人ファン・タイン・リエム - ảnh 3

ホアイ リェムさんは伝統的水上人形劇を披露するだけでなく、交通ルールを生徒学生に教育するため、交通に関する劇を創作しました。子供たちはこれらの人形劇が大好きですね。

フン そうですね。今日の社会では水上人形劇のような伝統的芸術の多くが消滅する恐れがありますが、リェムさんのような人々の努力により、ベトナムの伝統的芸術が維持、保存されることが期待されていますね。

ホアイ そうですね。では。おしまいに、歌をお聴きいただきながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

 「故郷の歌」をお届けしました。リスナーのみなさん。今日のこの時間はハノイ市内の自宅内に、水上人形劇の舞台を設置し、公演をするファン・タイン・リエムさんについてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。

Chao cac ban

ご感想

おおたけとしみち

12月はじめにホーチーミン市を訪問、水上人形劇を見る機会があり、この「ハノイ便り」にある風景を思い出しました。こちらは、演じる方が5-6人はいる盛大な劇でしたが、伝統を感じる素晴らしいものでした。

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