無形文化遺産に認定された「若いもち米」

(VOVWORLD) - ハノイの特産品は何でしょうか?それは若いもち米ででできた「コム(Com)」以外に考えられません。

無形文化遺産に認定された「若いもち米」 - ảnh 1メーチー村のコム生産職業が国の無形文化遺産として認定された式典 

ハノイの秋の味覚と例えらえる「コム」の生産で有名な所はハノイ市ナムトゥリェム区にあるメーチー村です。先ごろ、メーチー村のコム生産職業は国の無形文化遺産として認定されました。

メーチー村のコム生産職業は100年以上の歴史があります。かつてハノイ郊外にあったメーチー村は現在、都市拡大化の影響で田畑などがすっかりなくなり現代的な街並みに生まれ変わりました。しかしながらも、今もなお、この村には伝統的なコム生産に従事している家族がまだたくさんあります。

コムに使われるもち米は、固まる前の澱粉の白い汁が籾に付いている状態のものでなければなりません。もち米の種類もいろいろありますが、ネップ・カイ・ホア・バンで作られたコムがおいしいと言われています。これは「黄色い花粉のもち米」という意味があり、この米は、ベトナム北部で旧暦の5月から10月頃まで栽培されています。粒が丸く、香りがよいのが特徴です。

無形文化遺産に認定された「若いもち米」 - ảnh 2若いもち米 

メーチー村にあるコム生産工場のオーナーチャン・ヴァン・タインさんによりますと、美味しいコムを作るためにはコツが必要です。もち米の青い稲穂を脱穀してから、取れたコムをフライパンで炒ります。噛んで柔らかく、香りが出るようになるまで炒ります。それをすり鉢に入れて砕き、籾殻を取り除きます。これを大きなザルに入れて、籾カスが外へ飛んでいくよう、手であおぎます。そうすると、コムだけが残るというわけです。タインさんの話です。

(テープ)

「香りがよい美味しいコムを作るため、まずネップ・カイ・ホア・バンというもち米を選びます。そのもち米を薪で約1時間45分炒りますが、粘りのある食感を維持しながら、乾燥しすぎないように注意しなければなりません。その後、もち米を搗きますが、コメの粒が壊れないようにしなければなりません。美味しいコムは、粒が柔らかく、ねばねばして良い香りがします。10キロの稲穂から1.6~1.7キロのコムができます。」

メーチー村のコム生産はかなり変わりました。かつて、コムは秋にしか作られませんでしたが、現在は一年中コムを食べられるようになりました。また、コム生産工程には多くの機械が導入されました。そして、かつて、コムそのものしか作らなかったのですが、現在は、コムを材料とする様々な商品を作っています。メーチー村のコム生産工場のオーナーグエン・フー・カンさんは次のように語っています。

(テープ)

「かつて、コムの生産工程はすべて手作業だったので、とても大変でした。今は、炒る工程や搗く工程などでも、機械を導入する工場が多いです。機械導入によって、質をそのまま保ちますが、より楽になる上、量産できます。そして、コムのハムや、コムのおこわ、コムのお餅などコムを材料とする商品をたくさん作っています。メーチー村の商品は国内だけでなく、外国にも出荷されています。」

無形文化遺産に認定された「若いもち米」 - ảnh 3メーチー村のコム 

2016年5月にベトナムを訪れたアメリカのオバマ前大統領は、メーチー村でコムの生産業者と語らい、コムを購入しました。メーチー村の人々にとってそれは大きな誇りであり、村のコムを世界にピーアールするチャンスでもありました。それ以来、メーチー村のコム生産業者は連携して、村の商品PRに力を入れています。メーチー村のコム生産業者からなるクラブの担当者ド・フイ・フンさんは次のように話しました。

(テープ)

「先ごろ、第2回米朝首脳会談がハノイで行われたことを機に、国家コンファレンスセンターや会談のプレスセンターなどで、メーチー村のコムとその関連商品を外国の方々に紹介しました。また、2012年、メーチー村はコムの文化フェスティバルを行って、高い好評を受けました。また、2018年の「ハノイ食文化フェスティバル」でも、メーチー村のコムとその関連商品が多くの賞を獲得しました。現在、メーチー村には、85世帯がコムを生産していますので、村に足を運べば、コムの生産を体験することができます。」

現在、メーチー村に足を運んでも、かつての村の風景を見ることはできませんが、にぎやかな街が誕生しています。しかし、この村の特産品であるコムの味と臭いは100年前とは全く変わらず、古き良き伝統の味を守っています。

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