VQ-2Mの指揮センター（写真：qdnd.vn）

去る9月に運用を開始したばかりの「VQ-2M」は、人工知能（AI）技術を統合し、リアルタイムの作戦シミュレーションと自動化された指揮統制を可能にする警戒監視システムです。地上レーダーサイト、無人航空機（UAV）、さらには観測衛星に至るまで、全てが単一のネットワークに接続され、祖国の空を覆う「電子監視網」を形成します。

VQ-2Mの指揮センターでは、多数のモニターが鮮やかに光を放っています。何百ものセンサーからのデータが瞬時に転送・統合されています。3Dデジタルマップ上では、全ての移動物体がマークされ、識別、危険度に応じた分類が行われています。小型の無人航空機から長距離航空機に至るまでの未確認信号は、空に現れると、VQ-2Mの「眼」から逃れることはできません。「VQ-2M」システムは、1日平均4000～5000便に上る航空便（計画外のフライトを含む）を監視することが出来ます。

防空・空軍軍種の兵士が第2管区空域の監視および防衛システムの運用訓練を実施する（写真：Lê Sự/qdnd.vn）

防空・空軍総司令部のブー・ダイ・ズオン副司令官によりますと、このシステムは5秒以内に300点の情報源を同時に処理できると同時に、レーダー範囲と火力地域を計算することも出来ます。その上で、指揮官が効果的に状況を評価し、戦闘を行うようになるとのことです。

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「ベトテルは、システムの展開準備において防空・空軍総司令部と緊密に連携してきました。この自動指揮システムは、指揮官及び戦闘チームが目標を特定し、迅速かつ正確に処理・対応することを可能にします」

「VQ-2M」システムは、ベトナムが2015年より運用する空域警戒システム「VQ-1M」を基に開発されたものであり、作戦の指揮・統制を自動化する上での重要なブレークスルーです。これは、ベトナムの企業が独自に技術を確立し、製造して軍事装備として導入した初めてのハイテクシステムとなり、画期的な一歩を記しています。

「VQ-2M」システムは単なる技術的成果に留まらず、軍のエンジニアの創造能力を示す証でもあります。ベトテル・グループの「VQ-2M」プロジェクトチームリーダーであるグエン・ディン・ベト氏は次のように強調しました。

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「今回の演習は、我々がVQ-2Mシステムが実戦に近い環境下で運用可能であり、ベトナム防空・空軍の高度化する要求に応えられると自信を持って断言するための基礎となりました。同システムは、高い機動性と複雑な戦闘状況への対応能力を保証します。さらに、我々は戦闘行動における自動処理能力を強化するため、ビッグデータや機械学習、人工知能に関連する技術の応用に関する研究を継続していく所存です」

M1通信有限責任会社の技術者が、軍の通信・情報ネットワークシステム向けにハイテク機器を製造する（写真：Hồng Sâm/qdnd.vn）

指揮センターからは、ミサイル大隊、レーダー基地、待機空軍部隊などの各戦闘部隊へ、即座に調整命令を送信することが可能です。「VQ-2M」システムの運用において、「速度、正確性、安全性」の三つが最優先される基準です。実際の運用において、同システムは極めて迅速な処理速度とインテリジェントな情報分析能力により高く評価されています。ベトナム防空・空軍、第282連隊連隊長のグエン・アイン・タイ中佐は、以下のように述べています。

（テープ）

「以前は主に人間が関与していたのに対し、現在ではスマートシステムやスマートデバイスが大幅に導入され、戦闘を支援しています。このシステムにより、戦闘クルーは状況をより良く把握し、迅速かつ正確な操作が可能になります」

防空警戒管制システム「VQ-2M」の誕生は、デジタル時代におけるベトナムの気概と知性を明確に示しています。現在までに、世界でこの種のシステムを自力で開発できる国はわずか10カ国程度に過ぎません。

このシステムは、ベトナム軍兵士自身が発明した多くの技術と共に、ベトナム国防産業の新たな発展段階を画し、即応体制の質を向上させ、いかなる状況下でも祖国が受動的・不意を突かれることがないよう貢献しています。