VOVの「ゴールデンボイス」と呼ばれる元アナウンサーのトウエット・マイさん

(VOVWORLD) -40年前に、VOV=ベトナムの声放送局の国内放送を担当していた元アナウンサー、トウエット・マイさんは、VOVの「ゴールデンボイス」と呼ばれ、美声の持ち主として知られています。彼女は去る3月5日に逝去しました。98歳でした。

「深夜の物語りの朗読」と「詩の声」という番組のオープニングの曲を聞いて、トウエット・マイさんの温かい声に包まれましょう。

VOVの「ゴールデンボイス」と呼ばれる元アナウンサーのトウエット・マイさん - ảnh 1トウエット・マイさん(右)

1925年生まれのトウエット・マイさんは、本名ブイ・ティ・タイといい、北部港湾都市ハイフォン市出身の女性です。彼女の声は、滑らかで、ベトナム語独特の表現力豊かなトーンを備えています。

1958年に、トウエット・マイさんの声がラジオの短波放送から初めて流れると、直ちに多くのリスナーから好評を得ました。彼女は、南部解放の勝利のニュース、ホーチミン主席の訃報のニュースなどを担当していました。トウエット・マイさんは、勝利のニュースを伝える時には強く、訃報のニュースを伝える時には悲痛な声で、と話し方を工夫していました。VOVの各世代のアナウンサーは、トウエット・マイさんをお姉さんとして尊重しています。

トウエット・マイさんについて、VOVの元アナウンサーであるビエット・フンさんは次のような思い出を述べています。

(テープ)

「私たちは、彼女を本名の『タイさん』と呼び、身内のように思っていました。タイさんは、私たちのお姉さんのようであり、先生のようでもありました。VOVに入局した時に、タイさんから、正しい呼吸法や正しい姿勢などを教えてもらったからです。彼女は、後輩達のために、全力を尽くしてくれました。私たちは、今もタイさんを尊敬しています」

ところで、トウエット・マイさんは、アナウンサーの育成コースに一度も参加したことがないにもかかわらず、表現豊かな声が評価されていました。ニュース番組に限らず、文芸番組など、どんな番組でも非常に適切にアナウンスができたからです。

VOVの編集局のチャン・ドウック・ヌオイ元局長は次のように語っています。

「トウエット・マイさんは仕事だけでなく、同僚、ご主人、お子さんに対しても熱心で、愛情深く、素朴な人でした。彼女の声はとても印象深く、過去の戦争のニュースや解説などを読む時には、精一杯強い声で話し、短編小説を読む時には、まるでその登場人物が話しているかのように表現しました。本当に上手でした」

トウエット・マイさんは、1984年に「優れたアーティスト」という称号を授与されました。1993年には「人民アーティスト」の称号を授与されています。彼女は、この二つの称号に輝いたVOV唯一のアナウンサーです。トウエット・マイさんの声は、ベトナムの各世代のリスナーの心に今も残っています。

トウエット・マイさんについて、VOVのリスナーの話をお聴きください。

(テープ)

「私が中学生だったころ、『深夜の物語りの朗読』と『詩の声』という番組をよく聴いていました。トウエット・マイさんの声は、とても聴きやすく、温かくて、心に響きました」

トウエット・マイさんは、元々歌手でしたが、独学でアナウンスを練習し、美声のVOVのアナウンサーになりました。彼女の美声は、VOVの数多くのリスナーの心の中に永遠に残り続けることでしょう。

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