世界初の生きたドナーの腕移植手術に成功した医師

(VOVWORLD) -2020年1月に、ハノイ市内の108号軍医病院は、世界初の生きたドナーから腕の移植手術に成功しました。この手術を実現した医師は、同病院の副院長であるグエン・テ・ホアン教授です。
世界初の生きたドナーの腕移植手術に成功した医師 - ảnh 1         ホアン教授

2008年に、ドイツ南部にあるミュンヘン工科大学付属病院の医療チームが、世界で初となる両腕の移植手術に成功しました。後に、世界各国のメディアは、揃ってこの手術を報じました。当時、ホアンさんは、まもなく博士課程を修了する予定ですが、この成功手術に参加した5人の医療団の一人でした。彼は2013年に、108号軍医病院に勤めてから、いつもベトナム国内でこうした手術方法を実現した意向をもっていました。やがて、2020年1月に、ホアンさんと同僚らは、世界初の生きたドナーの腕移植手術を成功させることになりました。

移植された人は、31歳の男性であり、2016年に労働災難で左手と腕の3分の1を失いました。この人に左手と腕を提供した人は、同じ労働災難で左腕全てを切断せざるを得ませんでしたが、手と腕の3分の1の部分は残っていました。ドナーからの切断手術と、移植手術は午前10時から午後18時までの8時間にわたって108号軍医病院で同時に行われました。

移植手術を受けたファム・バン・ブオンさんは、次のように思い出しました。

(テープ)

「ある夜、ホアンさんは、私に電話して、『腕の提供者がいたので、翌日朝に、幾つかの検査を行うため私の所へ来てください。もし良ければ、移植手術をしてあげる』と知らせました。それから、腕の移植手術が行われました。手術後、目を開けると、腕がついているのを見てとても嬉しかったですよ。」

現在、移植された手は、少しの品物を持てるようになり、リハビリを継続しています。ところで、統計によりますと、1998年以来、世界で89件の四肢移植手術が行われましたが、すべての手術は、脳死患者からの移植によるものです。そのため、医師ホアンさんと同僚らが今回実現した生きたドナーからの前腕移植手術は世界初の移植手術であると言えます。医師ホアンさんはまた、数千件のマイクロサージェリーや、移植手術などを成功させました。ホアンさんの話です。

(テープ)

「私たちは、移植手術を行う際に、移植を受ける人に絶対安全を確保するように、あらゆる可能性を考えなければなりませんでした。同時に、その後にも、この患者が健康な人と同じような生活を取り戻すようにも配慮します。」

医師ホアンさんは、ドイツの科学賞を授与したベトナム人として最初の人であり、アジア人として4人目の人となっています。彼は、ドイツで博士号をとった後、ベトナムで働くことを決定しました。

(テープ)

「私は、身につけた知識を活用して、ベトナム人の患者を救えたいのです。ベトナムで働く環境は、外国と比べ、様々な困難がありますが、ベトナムは自分の国、故郷、祖国であることから、ベトナムで働くことにしたのです。」

医師ホアンさんは、専門的な経験のある専門家です。軍医学院卒業後の22歳に、彼は、カンボジア戦場に自発的に赴きました。それ以来の30年間にわたって、彼は、数えないほどの手術を行ってきました。医師ホアンさんは「誰かに幸運をもたらす可能性があるならば、私がやってあげる」と言いました。

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