少数民族バナ族の文化の保存と発展に寄与するフォン先生
レ・フュウ・フォン(LeHuuPhong)教師(白シャツ)
春になると、ティグェン(TayNguyen)地方ザライ(GiaLai)省マンヤン(MangYang)県に住む少数民族バナ(BaNa)族の人々は、ドラとシンバルを演奏し、新年を迎えます。それらのドラとシンバルの音の保存と発展に火を灯してきた人々の中にレ・フュウ・フォン(LeHuuPhong)教師がいます。
マンヤン県民族寄宿学校の校長レ・フュウ・フォン教師は学校への銅鼓といわれるドラとシンバル演奏の導入に成功したザライ省の初の人物として知られています。フォン教師と現地の幾人かの職人の案内を受け、殆どの生徒は自分たちの民族楽器をうまく演奏できるようになりました。学校は5クラスですが、それぞれのクラスはドラ・とシンバルの演奏クラブと伝統的な民謡クラブがあります。これらのクラブは、省大会、県大会での競技に積極的に参加してきました。
マンヤン県民族寄宿学校の生徒ウエオさんは次のように語っています。
(テープ)
「学校で、私はドラとシンバルの演奏と文字を習っています。私は喜びで一杯です。ドラとシンバルの演奏を学ぶことは伝統文化の保存に寄与できるからです。こういうきっかけがあり、私は上手く勉強するようになりました。」
民族楽器トルンの演奏方法を教えているフォン教師
フォン教師は民族寄宿学校内のスタッフとともに、シンバルとドラの演奏の他、織り物技術、民謡、童謡も教えています。1994年に、各民族の全国児童歌舞コンクールで、同校の文芸クラブがフォン教師の監督による童謡、踊り、ドラとシンバルの演奏を披露し、金メダルを獲得しました。どうぞその音楽をお聴きください。
現場の音
現在、バナ族の子どもたちが自らの民族の童謡を歌えるのは珍しくなっています。もし、あるとあれば、フォン教師が教えたことのある学校の生徒たちかもしれません。
北部フンイエン(HungYien)省に生まれたフォン教師は1984年に、ザライ省マンヤン県の文化教育部門に転職しました。2007年に、彼は、民族寄宿学校の校長に就任しました。それから、伝統的文化の保存という内容が同校の教科として正式に導入されるようになったのです。この30年間、彼は暇な時に、、少数民族居住地に行って、伝統的文化について理解するなど、研究しています。フォン教師は、次のように語りました。
(テープ)
「祭りのときに、私はドラとシンバルの演奏を鑑賞しながら、勉強するために、全ての少数民族居住地を回りました。それ以来、私はドラとシンバルの演奏に夢中になりました。そして、それらの演奏の保存と発展について思い出しました。それ以来、私は、ドラとシンバルの古い歌を収集し、勉強しました。寄宿学校に赴いてから、生徒達に教えました。」
一方、フォン教師は、バナ族言語の研究家でもあります。彼は、「ベトナム語・バナ語」「バナ語・ベトナム語」対照辞典、「バナ語講義ガイド」と「幹部、公務員、部隊向けのバナ語学習本」の編集者でもあります。
伝統文化に夢中になるレ・フュウ・フォン先生は、バナ族のドラとシンバル、伝統文化の保存と発展に大きく寄与しているのです。