視覚障害者の武術教師の非常な活力


ベトナムやインドネシア、マレーシア、シンガポールなど東南アジア諸国で盛んな伝統的な武術にプンチャック・シラットというのがあります。その教師であるグェン・キム・ホアンさんの名は、優れた才能だけではなく、運命を乗り越えた活力の人として多くの人々が憧れています。

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1978年生まれのホアンさんは、幼いころから武術が好きでした。プンチャック・シラットがベトナムに伝えられた1992年に、この武術を勉強し始めました。彼は1994年に、国家プンチャック・シラット選手団に選ばれ、その数年後には、この武術を教えるクラスを開きました。そして、2005年末に、女子プロ武術選手と結婚し、娘が誕生しました。しかし、その後、ホアンさんに不幸が訪れたのです。腎臓不全と診断されたのは2010年頃でした。病状の悪化により、両目がだんだん見えなくなり、そやがて完全に見えなくなりました。武術教師の生活は、突然、他人のものとなり、様々な困難に直面してしまいました。ホアンさんの話です。

(テープ)

「視覚障害者は、歩くことも、日常生活の全ての行動がとても大変です。何もかも他人に頼らなければなりません。例えば、バスに乗るとき、バスターミナルに行っても、バスの路線案内が分からなくて、困りました。不便なことが多いですよ。」

闘病期間中、若い武術教師のホアンさんは、家族や友達、生徒の協力に加えて、自分の決意のお陰で、運命に負けることなく、困難を乗り越えました。現在、彼は、週に三回、病院で人工透析を受ける他、ハノイ市内の外国語大学にあるプンチャック・シラットクラブに行って、武術を教えています。それだけでなく、週末には、バクタオ公園で、中学生に無料で武術を教えています。

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病院で人工透析を受けるホアンさん=Quang Huy/ Báo vnexpress

左手は、注射と投薬が何度も重なったため、痛くなり、運動を妨げています。しかし、この5年間、ホアンさんは、休まずにハノイ市内の青年に武術を教えています。ホアンさんは、「武術のお陰で、これらの困難を乗り越えることができ」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「私の武術クラスに参加した人が大勢います。何も見えない先生がどうやって武術を教えられるのかという好奇心でこのクラスに参加した人もいました。私は、皆さんの運動と健康のために、武術を教えたのです。」

ホアン武術教師のクラスに参加した人は主に学生です。ホアン教師から教わった多くの人はプロ選手になっています。ホアンさんの生徒の一人であるグェン・ティ・タン選手は次のように語りました。

(テープ)

「ホアン先生の楽観的な精神は私たちの励みとなっています。先生は、武術を教えてくれるだけでなく、生活を巡る様々な経験を伝えてくれました。これらのことで、多くの生徒は先生と結び付けたいのです。」

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武術のホアン教師はボランティア運動に多大な貢献をしてきたため、ホーチミン共産青年同盟と国連ボランティア計画から「国家ボランティア2015」という賞状を授与されました。

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