(VOVWORLD) -古本の収集家、ブー・キム・ディエンさんは、幅広い知識を身に付けたいということから、もう数十年も読書を習慣にしています。
ディエンさん(右)
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周りにも熱心に読書をすすめるディエンさんを、ハノイで古本を集めている人なら知らない人はいないそうです。「古本のディエンさん」と呼ばれています。子供の頃、家族や親戚によく本を読んであげていたことから、読書好きになったそうです。ベトナムやロシア、フランスなどの文学作品や、科学、社会、芸術など様々な分野に関する本を読破しています。ディエンさんにとって本とは、豊かな生活を反映するもので、巨大な知識の源ということです。今年、75歳になるディエンさんは、視力の衰えはあるものの、読書への情熱は変わりません。ディエンさんの話です。
(テープ)
「私にとって、この世の中で、読書ほど面白いものはないです。好きな本を見つけたら、疲れもなくなるような感じがします。何度も読み返したくなります。」
ディエンさんは1960年から古本の収集を始めました。そのおよそ10年後に、ハノイ市内の自宅で古本店を開きました。小さな店の中には、 壁一面に天井までの高さの本棚がびっしり並んでいます。本棚と本棚の間、店の中央の狭い通路だけが唯一のスペースです。ここは、この40年の間、古本の愛好家のたまり場となっています。そのうちの一人の話です。
(テープ)
「ここには、歴史や地理関係の本が沢山あります。珍しいものも多いです。今まで他の書店で古本を探してきましたが、なかなかいいものを見つけることができませんでした。でも、ここでは、好きな本が探せるんです。」
店主のディエンさんは、店に訪れる人、それぞれに合った本を薦めます。例えば、若い人には、ロシアやフランスの文学作品です。人間や社会についての根本的な事柄がテーマになっているからと言います。ディエンさんの話です。
(テープ)
「本をたくさん読むと、知識が深まります。柔軟な考え方を持つ若者は、小説をいくら読んでも疲れないので、そういった本を読むようアドバイスします。また、思考力が鈍くなってきて、物忘れなどが出てきやすい中年層には短編の小説や詩を薦めます。本を読まないと、見識が狭くなりますから。」
情報技術が急速に発展している現代で、読書の習慣が薄れつつあることを嘆くディエンさん。本好きな人が少しでも多くなってほしい、ということが願いです。