(VOVWORLD) -このクラスを訪れると、その講義の様子に感動するでしょう。先生はベッドの上に座り、ベッドの周りを囲むのはプラスチック椅子に座った生徒たちです。
北部山岳地帯ホアビン(HoBinh)省キムボイ(KimBoi)県イエン(Yen)村を訪れて、村人にブイ・バン・ビン教師について尋ねると、誰もが知っています。ビンさんは、手足が麻痺していて運動機能障害で、生活は不自由ですが、10年余りにわたって、たゆまぬ努力を続けて、生徒たちに無料で勉強を教えています。
ビンさんは、6歳の時に父を亡くしました。また、小学4年生の10歳の時に高熱が出て、それ以来麻痺症状になりました。15歳の時に、母親が再婚しました。その間、ビンさんにとって最もつらい時期でした。しかし、彼は、そのような状況の中でも、真面目に勉強し、高い成績を収めました。
ある日、小学生1年生になったものの、文字が上手く読めない子を持つ友達の夫婦が、ビンさんにその子への教えを頼みました。ビンさんの指導の下で、その子は、良い成績を収めるようになりました。それから、ビンさんは、村に住む多くの人から頼まれて、彼らの子どもたちに無料で教えることにしました。
ビンさんの教室は彼の家の中にあります。このクラスを訪れると、その講義の様子に感動するでしょう。先生はベッドの上に座り、ベッドの周りを囲むのはプラスチック椅子に座った生徒たちです。
ビンさんは「これらの生徒は主に少数民族ムオン族の出身であり、よくムオン族の言語で話し合っている。ですから、共通語であるベトナム語、つまりキン族語が上手く話せない。しかし、学校では、主にベトナム語が使用されている。そこで、私は、生徒たちにベトナム語を教えている。」と明らかにしました。
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「当初、生徒たちは、ベトナム語の読み書きが全く出来ませんでした。このクラスで勉強してから、読み書きができる他、難しい数学の問題さえも解けるようになりました。生徒たちが、学校でよい成績になったことをとても嬉しく思います。」
ビンさんは、運動機能障害なので、健康が不安定ですが、この数年間、ビン先生の教室は、一回も休まなかったそうです。ある時は、生徒が50人にのぼることもありました。その時、教室は、何回かに分けて行わなければなりませんでした。ビンさんはクラスを開いてから、生徒の両親に学費などを要求しませんでしたが、村人から託された子どもを受け入れる用意はありました。
ビンさんは「生活に余裕がある家庭は毎月、5万ドン、約200円ほどを電気や水の使用料金として寄付した。また、貧しい家庭は、コメや、野菜、サツマイモなどをくれた。私自身は、生徒の家族に何にも求めなかった。」と語りました。
(テープ)
「こんな身体の不自由な私ですが、何もせずに一日を過ごすことは、気分がよくないです。ですから、子どもたちに教えるのは嬉しいことでもありますね。私は、毎月、身体の不自由な人向けの補助金だけで生活しています。」
ビンさんの小さな家には、3台の車椅子が並んでいます。1台は、ビンさんが使用している物ですが、残りはまだ新しいです。ビンさんによりますと、これらの車椅子は、慈善団体からもらった物です。仁愛の心を持つ身体障がい者の先生のことを知り、多くの組織や個人がビンさんの元を訪れて、困難を分かち合いました。