貧しさから脱出したザオ族のタン・ア・センさんの成功
タン・ア・センさん(右)
タン・ア・センさんは北部山間部ライチャウ省シンホ県タフィン村にある少数民族ザオ族の貧しい家庭で生まれ育ちました。彼は、困難を乗り越えるため、資金を借りて畜産とレンガ造りを行い、安定した収入になっただけでなく、多くの雇用の創出にも寄与してきました。
ア・センさんの話によりますと、結婚後の生活は大変でした。朝から晩まで、農作業をしても、いつも食べもの不足の状態にありました。それをきっかけに、2009年頃、親戚からお金を借りて、畜産を行うことにしました。その後、2011年には、銀行から融資を受けて、畜産の規模を拡大させました。現在、年平均2トン余りの豚肉の他、大量の水牛、牛、馬肉を出荷しています。ア・センさんは次のように語りました。
(テープ)
「山岳地帯であるシンホ県は厳しい気候にさらされているので、畜産に適した時期を選ばなければなりません。毎年西暦の2月ごろになると、豚を飼育します。豚は成長が早野で涼しくなる頃がよいのです。その他、馬は寒さに強い動物なので、冬の間は馬飼育にを集中しています。でも、寒さに弱い水牛や牛は低地に避難させます。」
それに、畜産活動による収益と銀行の融資を加えて、レンガ造りの機械4台を購入しました。こうした活動が順調に進んだお陰で、これまで、すべての融資を返済した上、トラック2台を購入できるようになりました。ア・センさんのレンガ生産工場は現地の多くの人々に仕事を斡旋しています。その一人であるチェオ・ア・ナイさんは次のように明らかにしています。
(テープ)
「センさんは畜産に関する経験を教えるだけでなく、私たちに仕事を与えています。彼のレンガ生産工場で働いてから、安定した収入を得るようになっています。私たち夫婦はセンさんに感謝したい気持ちです。」
ア・センさんが住んでいるタフィン村では大勢のはザオ族が暮らしています。村全体には570世帯がありますが、230世帯は貧しい家庭です。ア・センさんが経済発展において多大な成功を収めることができたのは、現地住民が見習うお手本となっています。タフィン村センラン村落のテオ・クオイ・ル村長は次のように語りました。
(テープ)
「私の村落では、ア・センさんの家庭は経済発展を遂げて成功した一例です。彼は畜産と生産経営が優れているだけでなく、困難な状況にある多くの家庭を助けてきました。」
タン・ア・センさんは山岳地帯の貧困解消事業に大きく寄与しています。