G7サミットのホットな議題である海上安全保障


ドイツのエルマウで開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)は8日午後、首脳宣言を発表して閉幕しました。宣言は、中国を念頭に、東シナ海・ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)での緊張を懸念するとともに、「大規模な埋め立てを含む現状の変更を試みるいかなる一方的行動にも強く反対」すると明記しました。


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ウクライナ情勢やイスラム国家との戦いなど今回のサミットの議題の中で、海上安全保障は特別な注目を集めました。


海上安全保障の共通立場

今回のG7サミットでは、先進7か国の指導者は、ベトナム東部海域および東シナ海の平和、安定、安全保障、航行の自由について共通の立場で 一致しました。サミットの首脳宣言は、1982年の国連海洋法条約をはじめとする国際法に基づいて海上での安全保障と航行の自由を維持する必要があると強 調しました。

また、「平和的紛争解決、世界の海洋の自由で阻害されない適法な利用の重要性」に言及した上で、「威嚇、強制または武力の行使、大規模な埋め 立てを含む」現状変更の試みを強く非難し、ベトナム東部海域で中国が進める岩礁の埋め立てをけん制しました。

この問題についてG7が立場を示したのは今回が初めて ではありません。去年のG7サミットは、力や威嚇による領土主張を目指すいかなる一方的な行動に反対する声明を出しました。


海上安全保障はG7の関心事

海上の紛争、および、航行の自由はG7の特別な関心事になっています。なぜならば、中国はG7のメンバーである日本の支配下にある尖閣諸 島の領有権を主張しています。中国が常に、船や飛行機を尖閣諸島の周辺に派遣することによって、日本との紛争が起きる恐れがあります。

また、中国がベトナム東部海域の大半について主権を主張していることは航行の自由に影響を与える恐れもあります。今回、中国の大規模な埋め立てに強く反対しているG7はこれから、より強い圧力を中国にかける可能性があると見られています。G7の中で、日本とアメリカは海上安全保障問題に強いメッセージを出しています。

アメリカは中国による人工島建設を撮影した映像と写真を公開し、中国はベトナム東部海域と東シナ海における航行の自由と国際法の施行を妨げるもので あると、繰り返し非難しています。アメリカは、中国がベトナム東部海域で不法に建設している人口の島の領有権を認めないために、これらの人口の島の12カイリの範囲内に飛行機を派遣する可能性があるとの見解が専門家から出されています。

日本もG7サミットをはじめ、国際会議を利用して中国の海洋進出およ び力による現状変更に懸念を表明しています。日本は地域の諸国と協力して中国の強硬な海洋進出に対応しようとしています。海上自衛隊が今月下旬、フィリピ ンに哨戒機を派遣し、ベトナム東部海域で、フィリピン軍と初めての本格的な共同訓練を計画しています。

先月末シンガポールで開かれたアジア安全保障会議に続き、今回のG7サミットが東シナ海とベトナム東部海域の海上安全保障の重要性を強調したことはこの海域の平和・安全保障・航行の自由が国際社会の共通した大きな問題となっていることを示しています。


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