(VOVWORLD) -北部フンイェン市ヒェンナム地区ニャンゾック村に位置しているチュオン寺はヒェン町の遺跡群の一つであり、フンイェン省の第一の名所と言われています。
地元の高齢者によりますと、『鐘の寺』とも言えるチュオン( Chuong) 寺は15世紀ごろに建立され、18世紀に2度、改修されました。チュオン寺の観光ガイドグェン・テイ・リェン( Nguyen Thi Lien) さんは漢字で『金鐘寺』と書かれたこのお寺は昔から伝われてきた伝説にかかわるものである」と明らかにし、次のように語りました。
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「伝説によりますと、大洪水が発生したある年、その洪水の流れに木材のいかだが巻き込まれ、上には見事な金製の鐘があります。そのいかだが多くの地方を通って流れましたが、止まることはありませんでした。ある日、そのいかだがニャンズック村に寄せました。周辺の多くの人々は鐘をとるためここにやってきましたが、何をしても鐘を動かすことができないから、できませんでした。しかし、ニャンズック村のお年寄りたちしかこの鐘をお寺に運ぶことができなくなりました。すべての人々は喜んで、仏様や神様がこの鐘を与えたと考え、鐘楼を建設しました。鐘をならすとその音は千キロにも響き渡っていました」
チュオン寺が調和が取れた建築様式があり、三関門から、信者の礼拝空間である前堂、本尊をまつる建物である上殿、僧侶が読経などを行う焼香、鐘楼、2つの回廊などが配されます。チュオン寺の正面は南向きです。
チュオン寺が建立された15世紀の当時のレ王朝時代の建築様式と彫刻の模様が三関門とその屋根に施されました。三関門を抜けると「龍の目」と呼ばれる池にかかる石造の橋に着きます。先ほどのチュオン寺の観光ガイドグェン・テイ・リェン( Nguyen Thi Lien) さんの話です。
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「これはフンイェン省ヒェン町における最も古くて貴重な石造の橋です。この橋は1702年に作られました。この橋が「龍の目」と呼ばれる2つの池にかかっています。この2つの池は善と悪を象徴しています。2つの池には境がありません。これは善と悪との境は本当に壊れやすいもということを表わしています。そのため、人々はその境目を超える力を持たなければなりません。」
チュオン寺の前堂の前に石造の線香たてが残されています。この線香たては1702年に建てられ、「石の柱」とも呼ばれています。つまり、この線香たては天と地を結ぶものなのです。
チュオン寺に足を運ぶならば、ここに安置されている数多くの仏像を見逃すことはできません。特に、16世紀に粘土で制作された18の羅漢像はベトナムにおける最も見事な仏像の一つとされています。
チュオン寺に保存されている品々の中で、最も貴重なものはこのお寺の回廊の東側に置かれている石碑と言えます。先ほどのチュオン寺の観光ガイドグェン・テイ・リェン( Nguyen Thi Lien) さんはさらに次のように語りました。
(テープ)
「この石碑は1711年に建立されました。表にはチュオン寺の美しい風景をたたえる詩が記されました。裏には昔のヒェン町の活発な交易活動を物語る言葉が刻まれています」
旧暦の1日、満月の日などを始め、毎日、チュオン寺を訪れる人々は大勢います。人々は寺に参拝したあと、寺の美しい風景を眺めることができ、日常生活の疲れが忘れられるようになります。チュオン寺が現在、フンイェン省の有名な観光スポットとなっています。