ホーチミン市の中心地にあるベンタイン市場は売り買いが活発に行われる場所であるだけでなく、ホーチミン市の代表的な建築物でもあります。建設以来、1世紀にわたり存在しているこの市場はベトナムの最大の経済中心地の多くの変貌を目撃しています。この市場はホーチミン市に足を運ぶ観光客にとって見逃すことができないスポットでもあります。
昔のベンタイン市場はベンゲー川沿いで、ザー・ディン城のそばにある木造の藁葺き建物でした。1859年、フランス植民地主義者はザー・ディン城を制圧した時、この市場も焼却してしまいました。その後、フランス人は壁がないレンガ建ての市場を建てました。ホーチミン市人文社会科学大学歴史学部のハ・ミン・ホン( Ha Minh Hong) 博士は次のように語りました。
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「19世紀にはベンタインという市場がありました。この市場は川の渡し場にある城のそばにあるので、城の渡場という意味でベンタインの名前が付けられました。この市場が焼却された時代もありましたが、再び建てられました」
1911年、当時のベンタイン市場が倒れる恐れがあったので、フランス人は新しい市場を建設するため、他の場所を選びました。新しい市場の建設用地はサイゴン駅付近にあります。これは現在のベンタイン市場の立地です。この市場は東、西、南、北といった4つの方面に正門があります。100年前に建てられたベンタイン市場はヨーロッパ風の建築様式で、ホーチミン市の中心地にある他の近代的な建物の建築様式とも調和します。ホーチミン市建築家協会のクオン・バン・ムオイ( Khuong Van Muoi) 建築家は次のように語りました。
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「ベンタイン市場は独特な建築様式を持ち、その中で、最も印象深いものはこの市場には時計台があるということです。また、市場の屋根にはコンクリートで作られた軒先があり、市場で買い物をする人々が日差しを避けることができます。これは熱帯気候に見合った建築スタイルです」
ベンタイン市場には独特な習慣があります。例えば、時計台には市場の神様を祀るスペースが設けられ、この市場に物を売る人々は毎日、ここに線香を手向け、商売の幸運を祈ります。その他、市場の入り口には鶏やアヒル、魚などのレリーフがあり、これを見ると人々はすぐにこれらの動物を売る店を探します。
昼夜を問わず、いつも賑やかに売り買いが行われているベンタイン市場にはおよそ1500もの店があり、毎日、8000~1万人もの人々がここで買い物をしています。ベンタイン市場には新鮮な果物から電子製品までありとあらゆるものが売られています。特に、メコンデルタを始め、全国各地からの美味しい果物が売られる場所として知られています。ホーチミン市に行くことがあったらぜひ、ベンタイン市場にいってみてください。