エデ族の押韻結合による語り

(VOVWORLD) - 中部高原地帯テイグエン地方に住む少数民族エデ族は先祖代々押韻結合による「語り」を受け継いでおり、伝統的な民間文芸として見なされています。押韻結合による語りで昔話や叙事詩を物語ることが一般的で、押韻結合による語りはエデ族の文化を支える柱の一つとされています。
エデ族の押韻結合による語り - ảnh 1お酒を飲みながら、押韻結合による語りをしている人たち

(テープ)押韻結合による語り V6 27/03 - 02/04 SMDT TDHT

押韻結合による語りはエデ族の言葉で「クレイ・ドゥエ(Klei Due)」と呼ばれます。「クレイ」は言葉で、「ドゥエ」は結合という意味で、その名の通り「クレイ・ドゥエ」は句の終わり、または始めに同じ響きの音を置くことで、言葉と言葉とのつながりを強くする効果があります。韻を踏むことで同じ響きが繰り返され、キレが良くなったり文章にリズム感が生まれたりするからです。押韻結合による語りは、昔話や叙事詩のほか、儀式で読まれる神様への人間の願いやなぞなぞ、民謡などエデ族のほとんどの伝統芸術で使われています。エデ族の伝統文化の研究者リン・ガ・ニエ・クザムさんは、エデ族の習慣法も押韻結合による語りを使っていたとし、次のように語りました。

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「かつて、エデ族は習慣法をよく使いました。習慣法は2千もの文章が含めまれていますが、文章はすべて押韻結合による語りによるものです。一方、エデ族の民謡では、「クウット(K'ưt)」と「エーレー(Eirei)」という2つのメロディーは押韻結合による語りを使っています。押韻結合による語りを使わないと、この2つはメロディーになりません。エデ族の押韻結合による語りは素晴らしいと思います」

押韻結合による語りは特定のパフォーマンスの場所を求めるわけではなく、畑仕事の後や、お酒を飲むときなどいつでもどこでも使うことができます。楽器と一緒に披露すると、より魅力的になりますが、楽器を使わず、押韻結合による語りしか使わない人も多いです。押韻結合による語りは使う人の気持ちによって異なりますが、わかりやすい、覚えやすいということが求められます。そのため、読み書きができない人も押韻結合による語りを学ぶことができます。ダクラク省クムガル県エアトゥル村に暮らすホ・ハイ・ニエさんの話です。

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「私はひとまとまりの文章を一つ一つ学びました。歩いているときにも、短い文章を繰り返して学びました。読み書きができないので、そういうやり方で学びました。これからもさらに押韻技術を学び、そして、子どもと親戚に伝えたいと思います」

エデ族の押韻結合による語り - ảnh 2笛を吹きながら、押韻結合による語りで民謡を歌っている

エデ族の村では、押韻結合による語りが上手な人は村人に尊敬されます。彼らは、語り合いがうまいほか、文化や風俗習慣にも詳しいからです。エアトゥル村で押韻結合による語りが上手な人として知られているイ・ホヒン・ニエさんは次のように語りました。

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「私は子どもの頃、祖父母などから押韻結合による語りで物語られる昔話や民謡をよく聞いて、特別な興味を持っていました。祖父母などからは押韻技術を教えてもらっていました。昔から伝わるそういう押韻技術を守るために、子どもに教えています」

ダクラク省は、エデ族の押韻結合による語りを大切に保っていることで知られていますが、その中で、同省のクムガル県エアトゥル村は、押韻結合による語りが上手な人が300人を超えていることで有名です。現地行政府は押韻技術を教える教室を開くなどして押韻結合による語りの維持と発展に取り組んでいます。クムガル県文化情報課のア・マン副課長は次のように語りました。

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「押韻結合による語りは文化スポーツ観光省によって国の無形文化遺産として認定されています。そのため、私たちは押韻結合による語りを始め、エデ族の伝統文化の維持・開発に対する住民の認識を高めるために、宣伝啓蒙を精力的に進めています」

現地行政府と地元の人々の努力により、押韻結合による語りは依然としてエデ族の文化を支える柱の一つであり続けることでしょう。

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