コン族の豊かな文化

(VOVWORLD) - サ族やマン族とも呼ばれる少数民族コン族は、ライチャウ省とディエンビエン省をはじめ北西部に居住しています。人口1万人未満の民族の一つで、独特の伝統文化が数多く残っています。
コン族の豊かな文化 - ảnh 1コン族の村

(現場の音)

ライチャウ省ムオンテ県ナムカオ村に暮らすコン族のロー・ティ・ズンさんは、山で畑仕事をする家族の人の食事を準備するためにおこわなどをつくりながら、馴染みの民謡を口ずさんでいます。コン族の生産と日常生活から生まれたこれらの民謡は、コン族にとって毎日の食べ物や飲み物のように、精神生活の欠かせない一部です。ズンさんの話です。

(テープ)

「コン族には、「鶏の鳴き声」などの民謡が数多くあります。これらの民謡は、昔は主に祖父母から子や孫に口頭で伝えられてきました。現在は、民謡が歌える子供も多いです」

コン族の民族舞踊もこの民族の生産活動と生活を再現するものです。特に、しなやかで力強い動きが多いコン族の踊りは、田植えや稲刈り、そして収穫をみんなで楽しむ活動を象徴しています。先ほどのズンさんは次のように語りました。

(テープ)

「『ピ・ルイム』という踊りは、大晦日や新築祝い、結婚式など、伝統的な行事や新年におこなわれます。昔、そのような踊りが家や村でよく行われていましたが、現在も、村人はそれを受け継ぎ、よく踊っています」

コン族の豊かな文化 - ảnh 2コン族の文化交流会

(現場の音)

コン族の文化について触れるならば、「クエ・ラー・ローン」という伝統的なお正月を抜きにして語ることはできないでしょう。このお正月は通常、トウモロコシが収穫される毎年旧暦の 5 月下旬から 6 月上旬に行われます。これは、村人が一年の苦しかった労働を終えて集まり、一緒に楽しむ機会であるとともに、神様やご先祖様の恵みに感謝し、新年に豊作や幸せな生活を祈る機会でもあります。このお正月の準備作業はその半年前に始まり、村人はお正月のお供え物として使われる豚や鶏が良く育つよう心を込めて飼育します。そしてお正月の前に、家族全員は集まって、伝統的な習慣に従って最も完全で思慮深いお正月を準備するための役割分担について話し合います。

コン族のお正月のお供え物には、トウモロコシケーキやトウモロコシご飯、茹でたトウモロコシ、トウモロコシのお酒など、トウモロコシから作られた料理やお酒のほか、山や森の産物などが欠かせません。特に、12か月を象徴する石カニ12匹も必須です。ライチャウ省ムオンテ県ナムカオ村に暮らすコン族のチャン・ティ・リムさんは次のように語りました。

(テープ)

「昔は米がなく、コン族は主にトウモロコシを食べなければならなかったので、トウモロコシを原料とする料理を先祖へのお供え物にしています。昔はとても大変でした。昔の先祖がトウモロコシをお供え物にして先祖を崇拝したいことが受け継がれ、私たちも昔と同じように崇拝しています」

コン族は、人口が 1 万人未満の民族のうちの 1 つです。ライチャウ省では、コン族は主にムオンテ県ナムカオ村に暮らしており、その人口は1500人以上です。コン族は、人口は少ないものの、言語、建築、衣装、祭り、習慣、音楽、民俗芸能など、多くの伝統的な特徴を今も保存しています。ライチャウ省文化スポーツ観光局のチャン・マイン・フン副局長次のように語りました。

(テープ)

「現在、コン族には、コミュニティに関連する良好な伝統文化数多く残されています。具体的には、新年の祭りや新米祭り、1年の農作業が終わったときに行う祭りなど、伝統的な価値観を持つ行事について言及する必要があります。また、伝統的な衣装や民族芸能の価値観もしっかりと守られています」

コン族のこうした豊かな文化は地元の人々の努力と、地方行政府の支援によって末長く保たれることでしょう。

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