クメール族のロムボン踊り

ソクチャン省文化スポーツ観光局のソン・タイン・リエム副局長によりますと、ソクチャン省に暮らすクメール族は36万人以上で、省の人口の3割を占めています。これまで、オクオムボク祭り、ロバム歌劇、ズーケ歌劇、ロムボン踊り、五音の音楽といったクメール族の5つの文化財は国の無形文化遺産として認定されています。リエム氏は次のように語りました。

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「ソクチャン省では、ズーケ歌劇やオクオムボク祭り、五音の音楽、ロムボン踊りなどクメール族ならではの文化を体験することができます。特に、旧暦の10月15日に行われる「ゴー」(Ngo) と呼ばれる細長い船のレースは大規模な行事です。2005年のレースは、船と選手が最も多く参加したとしてベトナムギネスブックに記載されました」

（テープ）ズーケー歌劇の披露会の音

クメール族の伝統芸能について触れるならば、ズーケ歌劇を抜きにして語ることはできません。ズーケはクメール族の創作芸能で、舞台は芸術的に演出され、仏教を讃え、仏教の思想を伝えるためのものです。この芸能は旧正月のテトに、寺院で上演されます。ズーケには歌唱、舞踊、詩吟を民間の手法に従って演劇するものですから、この世にあらわれてからすぐ、クメール族の人々により好まれている芸能です。ソクチャン省クメール芸術団の副団長ルック・タイン・ヒェップさんは次のように語りました。

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「ズーケ歌劇は、キン族、クメール族、ホア族といった3つの民族の文化交流を示すものであると思います。この歌劇は娯楽のためにあるだけでなく、見る人が正しい事や悪い事、善悪に関する理解を深めることによって、人間の心身練磨に役立つという効果もあります」

（テープ）ロムボン踊りの披露の音

一方、ロムボン踊りはクメール族にとって人間同士のつながりを強くするものとして欠かせない存在です。ソクチャン省のクメール芸術団のチエウ・ティ・フォンさんは次のように語りました。

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「ロムボン踊りはクメール族の日常生活の踊りです。この踊りはお寺の行事やお正月のほか、村でよく踊られています。特に、交流会や集いに欠かせないものです」

ソクチャン省のターモン寺

クメール族は信仰生活を重視していることから、寺院はお坊さんたちが修行を行なったり、仏様を祀ったりする場所としてだけでなく、地元の人々の伝統的文化活動が行なわれる場所ともなっています。ソクチャン省にはクメール族の寺院が92棟あります。その中で、2棟が国の遺産として認定されています。ソクチャン省仏教教会実行委員会のチャン・バン・タ副委員長は次のように語りました。

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「寺院は、仏教徒が修行をするところであり、クメール族の行事を行う場所でもあります。つまり、寺院は宗教信仰活動のほか、クメール族の文化活動も行うところです。その意味で、寺院は、クメール族の文化センターと言えます。こうした寺院は、クメール族の生活に欠かせない存在です」

ベトナムの各民族の中、少数民族クメール族は独特な伝統衣装でよく知られている民族の一つです。現代生活からの影響にもかかわらず、伝統衣装はクメール人の生活で欠かせない存在であり続け、大切に保たれています。クメール人の伝統衣装は、派手さと豪華さ、独特な様式を誇りにしています。ソクチャン省文化遺産展示場のスタッフタック・ティ・ロアンさんは次のように語りました。

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「クメール族の衣服はとても豊富です。家で着る衣服、労働用の衣服、行事用、結婚式用、芸能用の衣服などがあり、様々です。クメール族は色合いのコントラストのある衣服をよく着ています。例えば、青いズボンを履けば、ピンクなどのシャツを着る人が多いなどです」

ソクチャン省はクメール族の豊かな文化を大切にしており、文化の保存・開発にいろいろな対策を取っています。ソクチャン省民族委員会のリ・ロタ委員長は次のように語りました。

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「私たちは文化スポーツ観光局と協力して、ソクチャン省人民委員会にクメール族文化保存計画を提出しました。計画によりますと、クメール族の行事や伝統衣装を紹介する印刷物を出版するなど、PR活動を強化します。また、クメール族文化遺産展示場を充実・拡大します」

クメール族は自分たちの独特な文化を誇りにしながら、ベトナムに住む他の５３の民族と共に、自分の文化を守りながら、ベトナムの豊かな文化を保っています。