チュット族の結婚

(VOVWORLD) - ベトナム中部クアンビン省とハティン省に居住しているチュット族はベトナムの53の少数民族の中で人口が最も少ない少数民族であり、1958年に山中で発見されたばかりで、原始的な生活の一部の習慣が残っている民族でもあります。その中には、結婚に関する風俗習慣があります。
チュット族の結婚 - ảnh 1チュット族の結婚

チュット族の男性は女性に愛情を示すため、森へ薪を取りに行った後、薪をそろえて束にし、その女性の家を埋め尽くすという習慣があります。これは愛情の表れであり、自分の責任感と成長と能力を示すものでもあります。チュット族について研究しているキム・ゴック博士は次のように語りました。

(テープ)

「チュット族は薪によって男性の労働能力を判断します。女性の家を薪で埋め尽くすことは労働能力を証明しますが、埋めるだけは不十分で、女性の家族を満足させなければなりません。女性の家族は、薪は曲がってないか、大きいか、そして、束がそろっているかということを見ます。薪の束の形と、各束の置き方も男性の能力を示すとされます」

チュット族の結婚は顔合わせ、結納式、結婚式を含めますが、すべての式で、男性の母方のおじさんが重要な役割を果たします。先ほどのゴック博士は次のように語りました。

(テープ)

「男性の母方のおじさんは婚礼用品などを女性の家に持って行き、女性の家族に手渡すことを担当します。例えば、大きな豚を女性のお父さんに、小さい豚を女性の母方のおじさんに手渡します」

現在、チュット族は、「サック」、「ルック」、「アレム」、「マイ」、「マリエン」といった5つのグループに分かれています。それぞれのグループは結婚に関する風俗習慣が少しずつ異なります。結婚後、花嫁は花婿の家で暮らしますが、マリエングループだけは、花婿が2年間で花嫁の家で暮らす習慣があります。これは花婿が自分の奥さんを育てくれた義理の両親の恩に報いるためです。先ほどのゴック博士は次のように語りました。

(テープ)

「チュット族は親孝行な民族だと評されています。結婚だけでなく、生涯で親孝行をします。両親が存命中も、収穫後、美味しい料理を作って両親に線香を手向ける儀式があります。線香を手向けた後、長男の奥さんが義理の両親にその料理をさじで食べさせます。日常生活においても、両親が病気にかかった場合、子どもは両親に匙で食べさせる習慣があります。これは、本当に良い伝統ですね」

チュット族の各グループの中で、原始的な生活から抜け出した最後のグループは「ルック」グループです。原始的な生活では、女性が子どもを出産するとき、家の中でお産をしてはいけないどのタブーがありました。国の支援により、ルックグループも安定した生活を送っており、悪しき習慣を無くしています。しかし、現在も、結婚に関する良き伝統や、親孝行の精神は原始的な生活と同じように大切に保たれています。

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