テイ族の伝統文化の保存・開発に貢献した文学者

(VOVWORLD) - ベトナム北部山岳地帯に居住しているテイ族はベトナムで人口が最も多い少数民族の一つであり、今もなお、豊かな伝統文化を保存している少数民族の一つでもあります。テイ族の伝統文化の保存・開発に大きく貢献したのは、テイ族の有名な文学者ノン・ベト・トアイ(Nong Viet Toai)さんです。
テイ族の伝統文化の保存・開発に貢献した文学者 - ảnh 1 ノン・ベト・トアイさん

1926年に北部山岳地帯バクカン省で生まれたノン・ベト・トアイさんはテイ族を始め、少数民族の文学の「長老」と呼ばれています。バクカン市内にあるトアイさんの自宅は本棚がたくさん並んでいるので、小さい図書館のようです。本は彼にとって最も貴重な財産です。生涯をテイ族の文学の研究に注いだきっかけについて、トアイさんは次のように話しました。

(テープ)        

「1963年、文学者協会のコースに参加したとき、クラスの本棚にはフランス語から翻訳された小説がありました。この小説を読んで、テイ族の言葉に楽に訳すことができました。また、芸術団や放送局、文学雑誌などに務めた期間に、テイ族の言葉で制作するチャンスが多かったです。これはテイ族の文学への興味を芽生えさせたきっかけです。」

これまで、トアイさんは、テイ族の言葉で多くの作品を制作し、そのほとんどは故郷を讃えています。その中で、彼の多くの詩はテイ族の伝統民謡「テン」のメロディーにちなんだものです。そのため、これらの詩は歌にされ、北部山岳地帯の芸術団によく披露されています。

散文でもトアイさんの多くの作品は好評をうけています。これらの作品はテイ族の人々の生活や考え方、風俗習慣などを写実的に描写し、読者にテイ族の人々や文化などを理解してもらいました。バクカン省文学芸術協会のズオン・カウ・ルオン会長は次のように語りました。

(テープ)

「ノン・ベト・トアイさんは、ベトナムの少数民族の文学に大きく貢献し、若手文学者にとってお手本となっています、彼は責任感を持って仕事を夢中でしていますが、いつも地味で謙虚な態度をとっています。今は年を取っていますが、文学への興味を保っています。」

文学の他、トアイさんはテイ族を始め、少数民族の文化を研究し、伝統的な民謡や、踊り、昔話、ことわざなどの文化財の収集に力を入れてきました。この取り組みは、必ず文学を始め、少数民族の文化を守らなければならないというトアイさんの決意によるものです。トアイさんの話です。

(テープ)

「約100年後、テイ族は多数民族であるキン族になるだろうと言った人がいますが、私はそう思っていません。テイ族はキン族のことを受け入れたものの、テイ族ならではのものを永遠に保つからです。」

こうしたノン・ベト・トアイさんは、今年94歳ですが、テイ・ベト大辞典の編纂を完成することを人生の最後の目標としています。

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