ヌンジンの切り絵

(VOVWORLD) - ヌンジンの切り絵は2013年に国の無形文化遺産に認定されました。この切り絵は、葬式以外には使われず、ヌンジンの人生観や信仰心を示すものです。

少数民族ヌン族の人口は100万人を超え、人口の多さではベトナムの54民族の中で、7位となっています。ヌン族は居住地や、身に着けるもの、習慣などによって「ヌン・スオン」、「ヌン・ジン」、「ヌン・アン」、「ヌン・ロイ」など約10のグループに分けられますが、その中で、「ヌンジン」は北部山間部ラオカイ省ムオンクオン県に集中しています。

ヌンジンの切り絵は2013年に国の無形文化遺産に認定されました。この切り絵は、葬式以外には使われず、ヌンジンの人生観や信仰心を示すものです。

ヌンジンの切り絵 - ảnh 1ヌンジンの切り絵

ヌン族の言葉で「チャンスロー (Chang Slaw)」と呼ばれる切り絵は、子や孫から亡くなった祖父母への孝行を示すものです。ヌンジンの人々の考えでは、死後、別世界へと旅立った魂も、この世に戻って家族の健康や幸運を祈ることができるということです。家や家具、農具、お金をモチーフにした切り絵は、祖父母と父母への恩に報いるため、葬式に欠かせないとされています。

ムオンクオン県ナムル村ナムオーク集落に暮らす切り絵の職人ヴァン・ヴァン・チエンさんによりますと、親族が亡くなったときに、葬式の準備の一環として、職人に切り絵を作ってもらうよう頼む習慣があるそうです。切り絵を作るとき、型を使う職人もいれば、想像力を働かせて直接紙を切り抜く職人もいます。どちらの方法でも、色合わせや刃物を使った独特の造形には、職人の技が求められるとしています。チエンさんの話です。

(テープ)

「私は切り絵が大好きで、集落のすべての葬式に参加しています。集落の男性のほとんどができますよ。切り絵は心を込めて作らなければなりません。そうしないと良くない切り絵になるからです。切り絵の技術は集落のお年寄りを通じて身につけたのですが、次の世代に教えたいと思います」

ヌンジンの切り絵 - ảnh 2切り絵を作っている職人たち

ヌンジンの切り絵が2013年に国の無形文化遺産として認定されて以降、地元の行政府は、切り絵の保存と開発を優先的な課題の一つとしています。行政府の支援により、職人たちは多くのクラスを開いてこの技術を若者に伝えています。ムオンクオン県トゥンチュンフォ村ヴァンレン集落に暮らすベテラン職人ル・フィン・ホアさんは次のように語りました。

(テープ)

「私はこれまで、5、6人の子どもに教えました。また、30歳以上の男性を対象とした技を磨くためのクラスには10人以上が参加しています。切り絵の伝統維持と開発に役立ち、安心しています」

こうした取り組みにより、切り絵の伝統は今後もヌンジンの人々の精神生活と信仰において重要な意味を持ち続けるでしょう。

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