ヌン族の社会


少数民族ヌン族の社会は結束力が強いことでよく知られています。こうした社会はヌン族の団結と結合を作り出していると言われています。

ヌン族の社会 - ảnh 1
ヌン族の世帯の食事(写真:baotuyenquang.com.vn)

数百年前に北方からやって来たヌン族は現在、ベトナムの各地に居住しています。居住地によって、「ヌン・アン」とか「ヌン・ライ」あるいは「ヌン・チャオ」などのグループに分けられています。各グループの間には今もなお強いつながりがあると言われています。こうしたつながりにより、それぞれのグループは違う風俗習慣などがありますが、基本的には共通点が圧倒的に多いです。ヌン族が多数住んでいるランソン省の文化担当者ホアン・ヴァン・パオさんは次のように語りました。
(テープ) 

「高床式の家または土壁で固められた家に住むのがヌン族の特徴の一つです。ヌン族の村は30軒〜40軒の家屋で単位を作るのが一般的ですが、数百世帯で住む村もあります。ヌン族の生活の中心は家で、家そのものはこの社会のつながりを作り出しました。それぞれの村には苗字が同じの幾つかの氏族があります。」

ヌン族の社会は父系社会で、家族では、男性の発言力は大きいです。財産相続に関する決定権を持つのはその家族の父親です。そして、財産を相続するのは息子だけです。その中で、長男は他の息子より財産を相続しますが、親と一緒に住んで面倒を見るとともに、親の葬式なども取り仕切る習慣があります。

ヌン族は家族とコミュニティを大切にしており、強固なコミュニティづくりに取り組んでいます。ランソン省に住むチエウ・トゥイ・ティエンさんは次のように話しました。
(テープ)

「ヌン族は、コミュニティは一緒に住み、お互いに守り合い、一緒に働くところだと考えています。それは、ヌン族の団結心につながるんです。そして、家族でもコミュニティでも、上下関係を重視しています。それは社会の安定につながるんです。」

ヌン族の村には村の神様を祀る社があります。社は村の集会所でもあります。村の行事や、村の課題について話し合うときは社で行われます。ランソン省に住むホアン・ヴァン・ソンさんは次のように話しました。
(テープ) 

「ヌン族は団結心が強いので、何があっても村人全員の力を貸してできるんです。例えば、私の家を建てるとき、親族と近所の人たちの支援がなければ、何ヶ月かかっても出来ないはずでしたが、みんなに建設資材を運んでもらったり、建てたりしてもらいました。」

現代生活の影響で、ヌン族の生活にも変化はありますが、家族とコミュニティの強固なつながりと団結心は今もなお変わることなく、続いています。


ご感想

他の情報