パテン族の女性の派手な民族衣装

(VOVWORLD) - パテン族の女性の衣装について触れるならば、必ず赤い色が想起されます。

ベトナムではパテン族は、人口 1万人未満の 14 民族の うちの1 つです。この民族は、北西部山岳地帯ハザン省のバックアン県とクアンビン県、そしてトゥエンクアン省ラムビン県に居住しています。パテン族を他の民族と区別する特徴は、衣装の色です。男性は藍色の服を着ることが多いですが、女性の伝統的な衣装の色は鮮やかな赤です。

パテン族の女性の派手な民族衣装 - ảnh 1民族衣装を着用しているパテン族の女性

山々に居住し、厳しい天候に対応するため、パテン族の女性は足元から頭まで覆われた服装を着用します。女性の民族衣装の特徴は、頭巾から、シャツ、スカートまでの色調が赤だということです。山々の緑の中に住むので、赤い服装は非常に目立ちます。赤はパテン族が最も好きな色です。ハザン省に住むパテン族の一人フー・ティ・ティエンさんは次のように話しています。

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「昔、パテン族は主に山に居住していました。パテン族にとって、赤は最も重要な祭りである『火渡り祭り』に関連する色です。赤は火を象徴し、明るい未来への信頼と希望の現われです」

パテン族の女性の衣装について触れるならば、必ず赤い色が想起されます。ハザン省クアンビン県に暮らす職人フー・ティ・ズエンさんの話です。
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「赤色がとても気に入っています。赤はとても美しい色なのです。例えば大人数でお祭りに行くときでも、とても目立ちます。私たちは民族的アイデンティティを維持し、どこへ行くにもそのシャツを着なければなりません。そうすれば誰もが私たちがパテン族であることを知ることになります」

パテン族の女性の民族衣装は襟なし長袖シャツ、くるぶし近くまでのスカート、丸い頭巾からなっています。赤色のベースの上に、白、黒、オレンジの布が巧みに施されているほか、山や星、鳥の形、ひし形などの刺繍もあります。また、腰に白い紐が縛られますが、これは女性の優雅さを引き立てるものだと言われています。トゥエンクアン省ラムビン県に居住しているリー・ティ・トアンさんは、パテン族の女性の衣装は、頭巾からイエムという下着、スカート、パンツに至るまで、複雑な刺繍が施されることも特徴の一つであるとし、次のように語りました。

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「昔、山に住んでいたパテン族は、自然や樹木からアイデアを取り入れて衣装に刺繍の模様を施しました。また、衣装に家をモチーフにした刺繍の模様も施しました。そして、パテン族にとって犬は家族を守る動物の象徴と考えているため、衣装には犬の頭のシンボルが取り付けられています」

パテン族の女性の派手な民族衣装 - ảnh 2民族衣装を作っているパテン族の女性

パテン族の女性は衣装に刺繍の模様を施す独自の方法を持っています。先ほどの職人フー・ティ・ズエンさんは次のように語りました。

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「パテン族の衣装を作るためには様々な工程が必要ですが、布地を織ってから、その布地に模様を刺繍する他の民族とは異なり、模様は織機で布地を織る際に直接刺繍されます。模様は動物だけでなくパテン族の生活の特徴にも関係しています。錦織を織ったら、細かく裁断して衣装を組み立てます。これは非常な苦労と手間がかかる作業です」

パテン族の民族衣装のもう一つの特徴は丸い頭巾です。この頭巾は、頭に布を何回も巻いてつくられるものです。帽子の両側から、色とりどりのリボン2本が垂らされます。こうした頭巾によって、遠くから見てもパテン族であることがすぐわかります。

全体的には、パテン族の女性の衣装は赤ですが、年齢によって異なる部分もあります。先ほどの職人フー・ティ・ズエンさんは次のように語りました。

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「子供用の布地はとてもシンプルで、赤と黒だけです。少女の場合、衣装は大人と同じですが、白いベルトと赤い頭巾を使います。それに対し、結婚している女性は黒いベルトを使います。高齢者の場合、少女や女性のように頭巾を着用する必要はありません」

パテン族の女性は、民族衣装を着るとき、銀のネックレスと腕輪をはめる習慣があります。赤い衣装と白い装飾品との調和は女性の美しさを表わすと言われています。こうした民族衣装は、パテン族の誇りで、今もなお大切に受け継がれています。

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