ロロ族の先祖を祀る儀式

(VOVWORLD) - ベトナム北部山岳地帯のハザン省に居住している少数民族ロロ族は年中多くの儀式を行うなど豊かな文化を誇っていますが、その中で最も重要なのは先祖を祀る儀式です。この儀式は2012年に国の無形文化遺産として認定されました。

ロロ族の伝説によりますと、昔々、大きな疫病と大洪水があり、ほとんどの人が亡くなりましたが、ロ氏とその夫人しか生き残りませんでした。その後、ロさん夫婦は子どもをたくさん産んで、現在のロロ族を形成したので、ロロ族の祖とされます。

ロロ族の先祖を祀る儀式 - ảnh 1 ロロ族の祭壇

ロロ族の人々は、ある人が亡くなった後も、その魂は子孫の物心両面の生活に影響を与えることができると信じています。そのため、旧暦の7月14日いわゆるお盆に行われるご先祖を祀る儀式は先祖の恩に報いるためだけでなく、生きている人の健康や幸福を祈るためでもあります。

ロロ族は、先祖の3代までしか祀りません。4代目の人が亡くなれば、1代目の先祖を森に送る儀式を催します。全ての家族は祭壇を設置しています。祭壇は、真ん中の部屋に置かれ、中央ドアに面しています。祭壇には、先祖の魂を象徴する木製の人形が置いてあります。

それぞれの世帯には祭壇がありますが、先祖を祀る儀式はその一族の長男の家で行われ、その一族にとって最も重要なイベントとなります。

先祖を祀る儀式の3日間、畑仕事や遊び、工芸活動などは禁止されます。儀式のお供え物は一頭の豚、二羽の鶏、ご飯、おこわ、お酒、銅製の太鼓などです。ご先祖に豊作や幸運などを祈願するため、お供え物は最も良いものでなければなりません。銅製の太鼓はロロ族にとって神聖なもので、先祖を祀る儀式など重要な儀式でしか使われません。これらの儀式では、必ず、メスの太鼓と呼ばれる大きな物と、オスの太鼓と呼ばれる小さいものからなる太鼓セットが使われます。

ロロ族の先祖を祀る儀式 - ảnh 2木の葉などを服装にして踊る若い男性たち 

ロロ族の先祖を祀る儀式の特徴は、若い男性が木の葉などを服装にして踊ることです。若い男性たちは、目以外、全身に葉っぱなどで覆って、儀式の初めから終わりまで36の踊りをします。ロロ族は、先祖が昔、葉っぱなどを服装にして森の中に住んだので、先祖を儀式に招きたければ、木の葉でできた服装を着なけれならないと考えています。

現在、ロロ族の居住地では、先祖を祀る儀式が衰退してしまったところがありますが、ハザン省ドンバン県ルンク村にあるロロチャイ集落は昔と変わらない儀式を毎年行っています。ロロチャイ集落を模型にしてこの儀式の保存意識を広げるために、地元の行政府は、「ロロ族の伝統的な儀式」というイベントを年次行事として行うことにしました。ルンク村人民委員会のルオン・チエウ・ルアン委員長は次のように語りました。

(テープ)

「ロロ族の伝統的な儀式というイベントを行うのは今年が2回目です。今年は、ロロ族の伝統的な踊りの披露に集中しました。また、民間遊戯もありました。もちろん、イベントの重要な目玉としては、先祖を祀る儀式です。イベントは、周辺の住民だけでなく、多くの観光客をひきつけますよ。」

ハノイから来たグエン・ティ・ハさんは次のように話しました。

(テープ)

「このイベントに参加できてうれしく思います。少数民族の人々と一緒にイベントを楽しみました。これを通じて、ロロ族の独特な伝統文化を理解することができました。」

ロロチャイ集落には105世帯が住んでおり、その人口は500人以上です。この集落では、先祖を祀る儀式を始め、昔から伝わる多くの儀式が保たれています。また、村人は土壁の家に住んで、錦織りなどの伝統的な職業をしているなど、昔とあまり変わらない生活を送っています。代表的な模範となっているその集落のやり方は、少数民族の伝統文化の保存と開発に寄与するでしょう。

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