2021~2030年期における輸出入戦略、成長の質の向上と持続性を重視
(VOVWORLD) - 2021~2030年期における輸出入戦略は輸出入活動に対する地方と関連部局の役割や、責任を詳しく定め、各地方の潜在力を徹底的に活用することを目指しています。
既にお伝えしましたように、去る4月19日、政府は2021~2030年期における輸出入戦略を承認・発表しました。これは、輸出入活動の持続可能性と均衡・調和の確保や、ベトナム製品の質の向上とそのブランドの競争力向上などを目指すものです。この戦略において、政府は具体的なロードマップを定め、それぞれの段階に応じた措置をとる方針を打ち出しています。
商工省所属の輸出入局のグエン・カム・チャン副局長 |
この戦略によりますと、輸出入活動はベトナム経済開発事業の重要な原動力になります。
これに関し、商工省所属の輸出入局のグエン・カム・チャン副局長は、「ベトナムは新しい発展段階に入り、イノベーション、グリーン成長、デジタル経済、循環経済などを含む持続的かつ迅速な開発に関する需要が高まっている」との見方を示しています。
チャン副局長によりますと、複数の地域での武装衝突や、各国間の貿易摩擦、感染症などにより、向こう数年間も世界経済は複雑に推移し、サプラインチェーンの混乱、供給網の寸断、エネルギー危機、深刻なインフレなどが発生する懸念があります。こうした中、経済の3本柱の1つである輸出入は長期的かつ持続可能な成長を確保する必要があるとしています。チャン副局長の話です。
(テープ)
「2011~2020年期の輸出入戦略の実施状況を振り返ると、ベトナムの輸出入活動が多大な成果を収め、国の発展事業に重要な役割を果たしてきたことがわかります。しかし、この戦略が競争力の高い既存の製品のメリットをまだ徹底的に活用するに至っていないのは事実です。また、科学技術や、高い管理能力、優れた労働力などを活かし、競争力が高い新しい製品を作り出すこともできていません。そのため、新しい戦略は輸出入活動の持続性と質の向上に留意する必要があります」
2021~2030年期における輸出入戦略は国際貿易の新たな方向や、ベトナムがこれまでに締結した次世代自由貿易協定がもたらすチャンスなどにも配慮しています。これらを踏まえ、輸出入活動の優先課題とそれらの活動を促進するための財源などを選びます。
エコノミストらによりますと、2021~2030年期における輸出額の年平均伸び率が6~7%に達するという今回の輸出入戦略に盛り込まれている目標は、新型コロナウイルス感染症による深刻な影響を受けていた時期と比べてもそれほど高くはないですが、これは輸出入活動の持続性を目指すものであるとしています。これに関し、先ほどのチャン副局長は次のように分析しています。
(テープ)
「これは全期の平均目標値です。2021~2025年期の目標値は8~9%、そして、2026~2030年期は5~6%となっています。この数年間に達成した成果により、ベトナムは世界でも輸出入規模が高い国となっていますが、今後は、各国間の貿易摩擦や、武装衝突、保護貿易、非関税障壁などにより、情勢が予想しにくくなる見通しです。この点から見れば、6~7%という目標値は低いものではなく、逆に、大きな試練になるといえます。最も重要なのは、輸出入活動の持続可能な成長を確保することです」
2021~2030年期における輸出入戦略は輸出入活動に対する地方と関連部局の役割や、責任を詳しく定め、各地方の潜在力を徹底的に活用することを目指しています。また、輸出入品目や、輸出入先、それぞれの市場との貿易バランスなどの要素についても具体的な目標を設定しています。エコノミストらは、「この戦略を効果的に実施することで、輸出入活動の促進・拡大・深化・質の向上に貢献するだけでなく、国の経済発展事業に新たな原動力をも作り出す」と分析しています。