(VOVWORLD) - 世界経済への参入の促進を目指して、ベトナムは複数の二国間、及び多国間のFTA=自由貿易協定を締結、実施しています。これにより、輸出市場の拡大や輸出額の引き上げ、経済の競争力の向上などが図られました。
これまで、ベトナムは、中国・ASEAN経済協力枠組み協定、ASEAN・韓国物品貿易協定、日本・ASEAN包括的経済連携協定、ASEAN-オーストラリア・ニュージーランド自由貿易協定など、10件の自由貿易協定を締結、実施してきました。その中で、ベトナム・EU=欧州連合のFTA=自由貿易協定は国内外の企業経営者や管理者の注目を集めています。というのはベトナムとEUのFTAは他の自由貿易協定と違って、広範な分野で協力を掲げ、双方の均衡的な利益を確保する新世代の協定であり、交渉分野は関税の削減や貿易促進にとどまらず、投資、環境、競争、持続的な発展にもわたるからです。
このFTAにより、ベトナムは協定発効日に、EUの対ベトナム輸出額の65%に対する輸入関税を即時に撤廃し、残りについては一部商品を除いて10年以内に段階的に撤廃する一方、EUはベトナムの対EU輸出額の71%に対する輸入関税を即時に撤廃し、残りについては一部を除いて7年間で段階的に撤廃することになります。最終的には99%超の品目で関税を撤廃し、ベトナム側の繊維や靴、農産物、木工製品、EU側の機械、自動車、医薬品などの輸出拡大を後押しするとしています。ブオン・ディン・フエ副首相は「オープンな公約が盛り込まれたベトナムとEUのFTAはベトナムの魅力的かつ開放的な経営環境づくりに貢献し、EUからの質の高い投資誘致に道を切り開くであろう」との見解を示し、次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムとEUのFTAのような新世代のFTAや成長モデルの刷新の成果、国内の潜在力を生かすことで、経済、貿易、投資を中心とするベトナムと欧州連合との協力関係をさらに発展させることができるでしょう。」
地域と世界経済、貿易状況が再生の兆しを見せている中、自由貿易協定はベトナムの経済、貿易、投資の推進に重要な意義があります。先ごろ、国際社会参入国家指導委員会委員長を務めるグエン・スアン・フック首相はFTAの効果的活用に関する指示を公布し、各省庁に対して、FTAの実施状況を定期的に点検し、発生した問題を評価したうえで、FTAの効果的実施を目指す措置を提案するとともにFTAの宣伝を促進するよう要請しました。FTAの実施や世界経済への広範な参入は国内の経済発展、現代化事業、輸出市場の拡大にプラス影響をもたらしています。これにより、ベトナムはグローバル・バリュー・チェーンへの参加を強化し、主力の輸出品の付加価値の向上、経営環境の健全化などが図られました。先ごろ、行われた世界経済への参入に関するフォーラムで、グエン・スアン・フック首相は次のように語っています。
(テープ)
「ベトナム政府は世界経済への参入を経済改革の原動力と見なしています。また、参入は経済成長を促進するためのものです。社会主義を志向する市場経済体制に従って、生産の再編、食品安全保障、商標作りから経済再構築、成長モデルの刷新、経営環境の改善にわたって、経済改革を精力的に行うと同時に、清廉で建設的な政府づくりを促進しなければなりません。」
世界経済への参入はベトナムの経済発展や政策の充実に役立つとみられます。地域と世界経済が再生している中で、FTAのメリットを最大限に活用することはベトナムの経済、貿易、投資の発展に新たな原動力をつけることでしょう。