(VOVWORLD) - この数年間、ベトナムは、世界コメ輸出大国のリストの中で、インドや、タイとともに、トップ3に入っています。ベトナム産のコメは150カ国・地域に輸出されています。しかし、世界市場情勢が迅速に推移している現在、ベトナムはコメ輸出市場開発に関するアプローチ方法を変える必要があると指摘されています。
ベトナム南部農業科学研究院の元院長であるブイ・チ・ビュ博士は、「ベトナム産コメは、世界の消費者にとって、まだ印象が薄いものである」と指摘し、次のように語りました。
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「農家一世帯が1ヘクタールでコメ生産をすることで、ベトナムのコメのブランド作りはできないといえます。大規模なコメ生産モデルを進めていく必要があります。また、コメに関する国家ブランドづくりに力を入れていかなければなりません。特に、バリューチェーンはとても重要です。」
一方、チャン・クオク・カイン商工次官は、「ベトナムはコメ生産工程の基準化や、供給源の確保のための方策を定める必要がある」と指摘し、次のように語りました。
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「供給源の確保に力を入れていく必要があります。輸出量が500万トンにとどまれば、大丈夫ですが、600万ないし700万トンにのぼると、供給源は問題になります。したがって、生産工程の再構築は必要とされています。」
また、気候変動や、農業生産の構造転換、自然災害などもコメ生産事業に影響を与えています。これに関し、ベトナム経済研究院のチャン・ディン・ティエン元院長は次のように語りました。
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「現在、農業生産戦略を進め、コメの質ではなく、生産量の向上を重視しています。生産量向上のためには、肥料や、水、燃料の消費量が高まります。したがって、効果は低いです。今後、食糧生産構造の再構築を進める必要があると思います。」
グエン・スアン・クオン農業農村開発大臣はそれらの意見に賛同し、「ベトナムのコメ生産部門に新しいビジョンを作り出す必要がある」とし、次のように語りました。
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「3つの分野で、再構築を行う必要があります。1つは、生産工程です。2つ目は農産物の加工。3つ目は市場の拡大です。これは、コメ生産をはじめ農業発展事業の3本柱となります。」
2018年、ベトナムは30億ドル以上に相当する600万トンのコメを輸出しましたが、今後、輸出量を削減し、コメの価値を向上させ、輸出額を増加させる方針です。