既にお伝えしましたように、9月5日から7日にかけて、フランスのフランソア・オランド大統領がベトナム国賓訪問を行いましたが、その際、オランド大統領は在ベトナムフランススタートアップ企業共同体、いわゆるフレンチ・ベト・テクの代表と会合を行いました。これは、ベトナム・フランス経済関係の新しい方向を切り開き、ベトナムで事業活動を行っているフランス企業のビジネスの効果向上に寄与するものと見られています。
現在、中小企業とスタートアップ企業は世界経済の原動力となっています。これらの企業は社会に大きな利益をもたらし、経済成長に積極的に貢献しているからです。
フランスとベトナムとの経済協力は良好に発展していますが、両国の潜在力にまだ相応しくないと評されています。その原因は、両国がまだ双方間の協力に対する中小企業の役割に注意していないことが指摘されています。
フランス人エコノミスト ピエ・ジョーノード氏は「フランスは大手企業だけに集中すべきでない。また、ベトナム市場では競争が日増しに増しているので、考え方を変える必要がある」とし、次のように語りました。
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「フランスは大手企業と高額の契約に集中しすぎています。外交面で、これはいいでしょう。というのは、これは、ベトナムをはじめ東南アジア諸国で実施されているフランスの投資プロジェクトにとって重要な意義があるからです。しかし、実際、中小企業や、スタートアップ企業、零細企業はフランス経済に大きく貢献し、フランス経済の多様性と能動性を作り出すものです。」
現在、フランスでは、およそ400のスタートアップ基金が活動しています。1人の起業家に対しおよそ350万ユーロを支援する可能性があります。2015年、フランスで、スタートアップへの投資額は26億ユーロに達し、前年と比べ40%増加しました。特に、1億ユーロ相当の支援金を受ける企業もあります。しかし、スタートアップ企業の成功率がわずか10%にとどまっていることから、フランスは慎重な姿勢を示しています。
在ベトナムフランススタートアップ企業共同体、いわゆるフレンチ・ベト・テクについてですが、現在、そのメンバーの数は800社に上り、その中の120社はITソリューションや、通信、電子政府、電子商取引、サイバーセキュリティなどに携わっています。
ベトナムでスタートアップが迅速に発展している背景の中で、フレンチ・ベト・テクは多くの有利な条件に恵まれ、ベトナム・フランス経済関係の強化に積極的に寄与すると期待されています。こうした中、オランド大統領の関心はフレンチ・ベト・テクに利益をもたらすものと評されています。フランス在留ベトナム人法律家 ジェラード・ゴ氏は次のように語りました。
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「オランド大統領のベトナム訪問は両国の経済関係のてこ入れとなります。特に、中小企業とスタートアップ企業は利益を受けます。これは、両国の大手企業間の協力と共に、両国関係の強化に寄与します。」
また、エコノミストらは、「現在、両国間の協力関係において、多くの未開発分野がある」と指摘しています。在フランスベトナム実業家協会のグエン・ハイ・ナム会長は次のように語りました。
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「先ずは、通商代表部を通じて、フランス市場とフランスの潜在力に関する理解を深めることです。次は、製品開発です。フランス市場への進出を通じて、欧州市場への進出を強化できます。また、人材育成も重要です。」
規模が小さい。能動性が高い。活動しやすい。これらは中小企業とスタートアップ企業のメリットです。今後、中小企業とスタートアップ企業はこれらのメリットを活用して、ベトナム・フランス経済関係に寄与すると期待されています。